ライフ

先進国のうつ病の割合、コロナ禍以降2倍以上に 男性で目立つ受診遅れ

(写真/GettyImages)

脳が老化するとうつ病に発展しやすいといわれている(写真/GettyImages)

 芥川龍之介は、自死の動機を「唯ぼんやりした不安」と書いた。そして、家族にも打ち明けられない不安を抱えて苦しんでいるのは、現代を生きる男性も同じだ──。

 日本人の8割が50〜60代に差し掛かると「ミッドライフクライシス」、つまり「中年の危機」に直面すると言われる。これは、定年退職や子供の独立など、それまでの生きがいがなくなることで“自分の人生はこれでいいのか”と考えて、心の葛藤や無気力を感じるもの。ミッドライフクライシスは病気ではないが、心の不調を長引かせ、時にはうつ病を引き起こすこともある。『男のヘルスマネジメント大全』著者で、まめクリニックグループ代表の医師・石川雅俊さんが指摘する。

「最近は“リモートワークで人とかかわる機会が減った”と悩む患者が増えています。人間は社会的な営みが必要な動物で、人とのかかわりが減ることは大きなストレスになる。当然、うつ病に発展することも少なくありません。うつ病は女性に多い病気ですが、男性は不調を感じても抱え込んで受診が遅れ、悪化することが多い」

 自粛生活の喪失感、孤独感は男女問わず、心の悩みに拍車をかけた。OECDの調査によると、新型コロナの感染拡大以降、先進国でのうつ病の割合は2倍以上になっており、国内の統計でも同様だ。

 芸能界では5月3日に俳優の渡辺裕之さん(享年66)が、11日にはダチョウ倶楽部の上島竜兵さん(享年61)が亡くなった。誰からも愛される著名人の突然の訃報に、日本中が衝撃を受けた。

 亡くなった渡辺さんは、コロナ感染拡大の影響から不安を訴え、心の治療を受けていたと報じられている。上島さんも、4月に登壇した記者発表会で「やってることがアツアツおでんとか、熱湯風呂とかですから。“けんかしてチュー”ができないからね。おれとしては商売あがったりですよね」と嘆く場面もあった。

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン