厚労省の発表資料より

厚労省の発表資料より

 よく聞かれるのが、こうした「気の緩み論」だ。だがウエブサイト「Think Vaccine」がワクチン接種者と未接種者それぞれ408人に行ったアンケートでは、感染対策の取り組みに大きな違いはなかった。

「接種者、未接種者とも三密回避などの感染対策を緩和したのは3割ほどで同程度でした。この結果からは接種後に気が緩んで感染したとは考えにくい」(小島氏・以下同)

 そうなると、「ワクチンそのものが悪い」という疑念は拭えなくなる。日本で使用されるファイザーやモデルナのワクチンは「mRNAワクチン」と呼ばれるタイプで、人間の細胞内に「スパイクたんぱく質」を産生する遺伝子の設計図を打ち込む。このスパイクたんぱく質に体内の免疫系が反応すると、新型コロナの感染を予防する「抗体」がつくられるというメカニズムだ。

 ウイルスの一部のたんぱく質を体内に投与する従来のワクチンとは異なり、mRNAワクチンは体内に数日しか残らず、増殖しない遺伝子情報を打ち込むタイプなので、比較的安全といわれてきた。一方で、本格的なワクチンとして「mRNAワクチン」が使われるのは人類史上初めてであり、人体への影響すべてが詳らかになっているわけではない。

「mRNAワクチンは従来と異なる特別なワクチンです。遺伝情報を打ち込み、いわば『人工のウイルス』を感染させることが最大の特徴ですが、産生されるスパイクたんぱく質が人体に与える悪影響にまでは充分配慮がされていなかった。血栓症や自己免疫疾患の発症などのデメリットが海外の論文で指摘されています」

 そもそも日本のワクチン接種が本格化したのは昨年5月だった。当時の菅義偉首相が「ワクチンは切り札だ」とハッパをかけて接種が進んだ。今年6月13日時点で2回目の接種を終えた人は国内の全人口の8割。3回目も6割の人が接種を終えた。特に65才以上の高齢者は9割が3回目まで打ち終わっている。

「はしかや水ぼうそうのワクチンのように、子供のときに打っておけば効果が一生続くタイプのものもあります。しかし、コロナワクチンは想像以上に早く効果が弱くなっています。

 ワクチンメーカーはウイルスの変異が発生しても、そのたびに対応するワクチンを生産すると言います。しかし免役学には『抗原原罪』という理論があります。免疫システムの反応は最初に接したワクチンやウイルスの記憶に固執し、その後の変異株への対応力が低下するというものです。仮に変異株に対応したワクチンを開発し、それを接種しても、期待した効果が得られない可能性は充分あります」

 ワクチンは切り札ではなくなっているかもしれないのだ。

帯状発疹や口腔カンジダの患者が増えた

 mRNAワクチンにはさらなる不安がある。接種後に血小板が減少する副反応があることは厚労省が認めている。海外の研究者からは心筋症の発生が増えることも指摘されている。小島氏は、接種後の「免役力の低下」による疾患の発症を危惧する。

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