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巨人が悩む坂本勇人の後釜問題 高卒2年目・中山礼都、一塁定着・増田陸に光明

坂本が欠場した期間にショートのスタメンで多く出場した高卒2年目の中山礼都(時事通信フォト)

坂本が欠場した期間にショートのスタメンで多く出場した中山礼都(時事通信フォト)

 交流戦で10位に終わった巨人。浮き彫りになったのは、“頼れる主将”坂本勇人(33)がいないと勝てないチームということ。坂本の後継者探しは数年前からチームの懸案事項だが、成果が出ているとは言い難い。

 昨年の開幕前に先発ローテーション左腕の田口麗斗(26)を放出してまで廣岡大志(25)を獲得したのは、ポスト坂本を育てたいとの思惑が球団にあったためとされる。そのほかにも坂本の後釜と言われた選手は数多く、湯浅大(22)、若林晃弘(28)が期待されているが、これまで坂本ほどの目立った活躍はできていない。

 とはいえ光明がないわけではない。

 にわかに期待値が上がっているのが、高卒2年目の中山礼都(20)だ。坂本が戦線離脱した期間にショートのスタメンで多く出場し、守備では俊足を生かした広い守備範囲でチームを再三救った。

 また、中田翔(33)や中島宏之(39)を押しのけてファーストのレギュラーに定着している打撃好調の増田陸(21)も、「入団時に『坂本2世』と期待された選手で、本職はショート。来年以降はショートで挑戦させても面白い」(巨人番記者)。

 ただ、巨人で名ショートと呼ばれ、ヤクルトと西武を日本一に導いた名将・広岡達朗氏は「巨人の体制が変わらなければ、二の舞を演じるだけだ」と語る。

「原辰徳監督を中心とする首脳陣が本気で後釜を作ろうとしないと、後継者なんて到底出てきませんよ。スカウトはレギュラーのライバルとなる素材を一生懸命獲っているんだけど、監督やコーチがこれを教えないもの。

 私が監督なら何が何でも後釜を作るし、ショートだけでなく、全部のポジションでライバルを作って常に争わせるね。そのライバルを一生懸命教えて上手くなると、レギュラーはもっと上手くなりますよ。そうしないとレギュラーが伸びない。選手が安心したらチームは終わりなんです」

 坂本は昨オフに後継者について、「実際、コイツやったら大丈夫かなという選手もまだいない」と語っていた。

 後継者の誕生を最も渇望しているのは、坂本自身かもしれない。

※週刊ポスト2022年7月1日号

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