国際情報

北朝鮮の金正恩総書記が警察機関に住民との関係改善を指示 横柄な態度に不満高まる

住民の間では新型コロナウイルスの感染拡大や防疫措置などによる不満が高まっていたという

住民の間では新型コロナウイルスの感染拡大や防疫措置などによる不満が高まっていたという

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記はこのほど、北朝鮮全土の治安部門と警察機関に対して、重要内部指令を出したことが明らかになった。「内部規律を強化し、住民との関係改善に取り組むようにしなければならない」などと述べて、住民に対して理不尽な要求をしたり、理由もなく権力を行使して人権を無視するような行動を慎むよう指導したという。

 北朝鮮では新型コロナウイルスの感染拡大や防疫措置などで住民らの間で不満が高まっており、党指導部は警察官らが専横な態度で住民に接すれば、国民の反発は加速し反体制運動につながることを恐れているとみられる。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。

 北朝鮮は新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するために2020年1月に中韓両国との国境を封鎖し、すべての貿易を停止した。そのため国際的な制裁ですでに弱体化していた経済がさらに大きな打撃を被った。

 今年に入ってから鉄道輸送が再開されたものの、中国でのウイルス再流行に伴い、再び閉鎖され、北朝鮮の市民は飢餓状態に陥っているなど、生活苦にあえいでいる。

 このようななか、金総書記からの内部指令で、警察を中心とした司法部門に対して、「地域住民との対立を解消し、警察官の態度やサービス内容を抜本的に改善し、警察のイメージを回復させなければならない」などとの通達が発せられた。

 この結果、警察の指揮系統も再編され、各地域の警察署は平壌の社会安全省に毎日、住民と接触状況や治安状況などの進捗を報告するよう求められている。

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン