ここで伍代が改めて強調したのは、早期に検査を受けることの重要性だ。
「C型肝炎は慢性化しやすくて、肝がんになりやすい病気です。治療ではどのくらい肝機能が残っているかがカギ。肝臓が元気なうちにウイルスを発見することがとても大事なんです。肝臓がいくら“修復する臓器”といっても、年齢を重ねるごとに修復機能は衰えますし、負担をかけ続けて肝硬変、肝がんへと進んでしまったら、ウイルスを叩く薬をのんでも手遅れになってしまいますから」
そんな伍代の言葉を受け、中根市長も「肝炎ウイルスの特徴をしっかりと市民の皆さんにご理解いただき、検査の必要性を認識していただけるよう努めたい」と決意を新たにした。
ただし、せっかく検査を受けて早期に発見しても、その後の検査や治療の継続に結びつかないケースもあるといい、行政として、精密検査や治療法の説明や医療費助成についても電話や郵送で案内するなど、フォローアップにも引き続き力を注いでいくという。
「治療が途切れてしまわないように陽性のかたには年に1回、市からお手紙でその後の状態をおたずねしています。最新の治療法や患者さんの気になる内容をまとめたQAリーフレットも同封しており、“お手紙をもらって治療を再開しました”“自分が対象になる治療法が見つかり、治療に進むことができました”といった声も届いています」(中根市長)
感染した人の約70%が慢性化するといわれているC型肝炎。現在は治療法が進歩し、のみ薬だけで克服できる。
「私はこの世からなくせる病気だと思っています。だから、どうか早く、自分の体の中にウイルスがいるかどうか確かめてください」(伍代)
C型肝炎は感染から10〜40年かけて、肝硬変や肝がんへと重症化する。早期の治療が肝がんなどの予防にもつながるのだ。ウイルスを放置して大切な命を危険にさらさないよう、この機会に検査について考えてみてほしい。
※女性セブン2022年8月11日号