ライフ

「かかりつけ医」の見つけ方 ネットのクチコミよりも公式ホームページをチェック

(写真/GettyImages)

長くつき合えるかかりつけ医はどのように見つけたらよいか(写真/GettyImages)

 新型コロナウイルス感染拡大の初期段階で問題となったのが、受診できない患者が多かったこと。これを問題視した政府は、かかりつけ医の制度整備を進める方針だ。現在、日本にはおよそ34万人の医師がいる。膨大な数の医師のなかから、「最高のかかりつけ医」をどう見つければいいのか。

 まずは受診前にクリニックや病院を見極める必要がある。最近はネットのクチコミで評判をチェックする人が多いが、そこには落とし穴がある。神奈川在住の小山清美さん(48才・仮名)がボヤく。

「かかりつけ医がほしいと思ってネットで近所のクリニックのクチコミを見たら、『よい先生だ』と評価が高かった。でも実際に受診すると診察時間が短くて回転が早く、満足な医療は受けられませんでした。後で気づきましたが、いい先生と評判だったのはすぐに薬を出すからでした」

 医療ジャーナリストの増田美加さんが指摘する。

「ネットのクチコミは主観が大きく、書き込んだ人と自分の感覚が一緒だとは限りません。クチコミに過信は禁物です」

 参考にすべきは医療機関のホームページに掲載される「公式」の情報だ。ティーズ内科クリニック院長の土山智也さんは「まずはホームページで専門性をチェックしたい」と言う。

「『内科、消化器内科、呼吸器内科』『内科、循環器科、小児科』などと複数の診療科が書いてある場合、2番目に書かれている科が医師の専門分野の可能性が高いと考えてください。また、医師の専門性は出身大学よりも、開業するまでにどの大学病院や一般病院で経験を積んだかがモノを言います。ホームページでは医師がどの科で、どれくらい長く勤務していたかをチェックしてほしい」

 ホームページにはクリニックの特徴やどの分野に強いかなどもアピールされているので、把握したい。

 医師が「認定医」か「専門医」か「指導医」かも判断の基準になる。

「認定医より専門医、専門医より指導医の方が資格を取る条件が厳しくなります。条件の厳しい資格を持つ医師は新しい知識をアップデートして研鑽を重ねているので、信頼度が増します」(土山さん)

 診療科目数にも注目しよう。医師免許さえ持っていれば、クリニックの医師は麻酔科を除き自由に診療科名を看板に掲げることができる。だが掲げる科が多すぎる医師はかえって不安だと新潟大学名誉教授の岡田正彦さんは言う。

「1人の医師が内科や小児科、外科、泌尿器科、皮膚科などいくつもの診療科目を掲げるクリニックは専門性に疑問を感じる。患者を集めるために知識や経験の乏しい科を標榜している可能性もあり、そうした医師は敬遠すべきです」

 少人数のクリニックの場合、医師は「1人体制」よりも「2人体制」の方が安心だ。

「片方が時間のかかる患者を診たり検査する場合、もう1人の先生が次々と患者を診られるので、待ち時間が少なくてすみます。通常の診察も医師が2人いると余裕を持つことができ、患者にとっても満足な治療となる可能性が高い。

 他方、医師の数が多いクリニックは人手は足りているが、診療の責任の所在が曖昧になりがちです。主治医制ではなく手が空いている医師が診察してカルテは型通りということがあり、かかりつけ医には向かない場合が多々あります」(土山さん)

※女性セブン2022年8月18・25日号

(写真/GettyImages)

ネットの口コミを信じるのは危険だ(写真/GettyImages)

この時期は新型コロナ以外にも、手足口病やプール熱など夏特有の子どもの病気が増える

この時期は新型コロナ以外にも、手足口病やプール熱など夏特有の子どもの病気が増える

「最高のかかりつけ医」との出会い方

「最高のかかりつけ医」との出会い方

関連記事

トピックス

本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《「策士」との評価も》“ラブホ通いすぎ”小川晶・前橋市長がXのコメント欄を開放 続投するプラス材料に?本当の狙いとは
NEWSポストセブン
女性初の首相として新任会見に臨んだ高市氏(2025年10月写真撮影:小川裕夫)
《維新の消滅確率は90%?》高市早苗内閣発足、保守の受け皿として支持集めた政党は生き残れるのか? 存在意義が問われる維新の会や参政党
NEWSポストセブン
2021年ドラ1右腕・森木大智
《悔しいし、情けないし…》高卒4年目で戦力外通告の元阪神ドラ1右腕 育成降格でかけられた「藤川球児監督からの言葉」とは
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
注目される次のキャリア(写真/共同通信社)
田久保真紀・伊東市長、次なるキャリアはまさかの「国政進出」か…メガソーラー反対の“広告塔”になる可能性
週刊ポスト
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
この笑顔はいつまで続くのか(左から吉村洋文氏、高市早苗・首相、藤田文武氏)
自民・維新連立の時限爆弾となる「橋下徹氏の鶴の一声」 高市首相とは過去に確執、維新党内では「橋下氏の影響下から独立すべき」との意見も
週刊ポスト
新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン