「排尿障害」は危険信号

 同様に、くしゃみもぎっくり腰の“引き金”になることが多い。

「急激に腰椎を曲げる力が加わるため、不用意にくしゃみをすると負担がかかりぎっくり腰になるのです。前ぶれを感じたら、近くにある壁や机に手をついてくしゃみをすることで、腰を守ることができる。くしゃみでぎっくり腰になるリスクを減らせます」

 膝の痛みはどうすれば防げるか。

「長く歩き続けたり、階段の上り下りをする際に気をつけていただく必要があります。もし不安を感じる場合は、手すりを掴んだり、杖を使ったりして膝への負担を減らすように心がけましょう」

 痛みが悪化した場合は、手術という選択肢もある。

「まず、脊柱管狭窄症はMRIによる画像診断が必要です。神経の圧迫の程度を確認し、有効な治療法がない場合、手術で神経の圧迫を取り除く処置が可能になります。特に排尿障害がある場合は手術が必要です。神経圧迫により膀胱が麻痺していると、尿が出せなくなる恐れがあります。また、足の麻痺で力が入らないケースも手術が必要です」

 ただ、手術をすれば劇的に症状が改善するわけではないという。

「痛みや痺れを改善させることを目的に手術をしますが、100%治るわけではありません。手術後にも根治に向けた体操を続けるなど、地道な取り組みが欠かせません」

 まずは日頃の動作に気をつけることだ。

※週刊ポスト2022年9月2日号

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