この秋、故・三浦春馬さんがメインキャストのローラ役を熱演した『キンキーブーツ』日本版の三度目の上演が決まっている。役を演じるにあたり彼の苦悩を側で見てきた恩師が、「ファンの悲しみを癒したい」との思いで三浦さんの三回忌を目途に筆をとったが、あまりに赤裸々な内容が一部のファンの逆鱗に触れて──。
「発売日まではあと何日かあるので、目次を不安に思う皆さんに、何をどうお伝えすればいいのかずっと悩んでいます。本の出版時期についても、三回忌が過ぎた頃に届けたいとはずっと思っていましたが、すべてのファンのかたの心のタイミングを見極めるのは難しいことでした。(中略)いまでもまだ、出版の時期が早かったのではないか、何が正解だったかと考えています」
複雑な胸の内を『女性セブン』にメールで打ち明けたのは、三浦春馬さん(享年30)のボイストレーナーを7年間担当していた斉藤かおるさんだ。斉藤さんが苦悩するのには深い理由がある。彼女は9月16日に、ある書籍を出版予定で、最終原稿を書き終えたばかり。『女性セブン』の取材に対して冒頭のように文書で答えたのは、この本が一部で物議を醸しているからだ──。
2020年7月18日に三浦さんが亡くなってから、早くも2年が過ぎた。悲しみがいまだ癒えぬ中、先日、突如予約開始の知らせとともに公開された『春馬くんとの“未来の雑談”~三浦春馬の勉強ノート~』(講談社刊)という本の内容に、ファンは衝撃を隠せなかった。
著者は前出の斉藤さんだ。彼女は、かつてNHK教育番組で「うたのおねえさん」を務め、多くの俳優や歌手のボイストレーニングを担当。三浦さんも彼女を師として仰いだ生徒のうちの1人で、“斉藤先生”はファンの間ではよく知られた存在でもあったという。
「斉藤さんは、春馬くんの死後、自身のFacebookで生前の彼のエピソードや、陰でひたむきな努力を重ねてきたことなど、メディアには報じられていない素顔を綴っていました。春馬くんを突然失い、悲しみの底にあったファンの中には、心の支えになっていた人もいたんです」(30代女性・三浦さんのファン)
斉藤さんと三浦さんは歌唱のことだけでなく、日常の他愛ない話や、未来の夢についても語り合っていたというが、今回ファンの心中が穏やかではないのは、発売に先んじて公開された書籍の「目次」についてだ。
「目次には仕事の話だけでなく、《恋人との朝》《失恋、犬とアレルギーとお母さんの愛と》《ダンサーとの恋》といった項目が並んでいたのです。春馬くんファンの友人の間では『春馬くん自らが語ってこなかった、とてもプライベートな話を本で明かすのは、まるで“暴露本”』『春馬くんがかわいそう』『親しき仲にも礼儀あり』という声が上がっています」(前出・30代女性ファン)