人気はアジア圏に広がる(Imaginechina/時事通信フォト)

人気はアジア圏に広がる(Imaginechina/時事通信フォト)

“小池徹平くん”はもはや過去

 ここで、完全に個人的な趣味で彼の出演作を振り返ってみたい。まずは『ごくせん』(日本テレビ系・2005年)や『ドラゴン桜』(TBS系・2005年)での、ヤンキー高校生姿。悪ぶった役でも、隠しきれない可愛さがはみ出ていた。

 そして『医龍-Team Medical Dragon-』(フジテレビ系・2006年〜)の若き医師役へ。実年齢に合わせた役柄で順調に道を歩んでいる。おそらくみなさんの記憶に残っているのは朝ドラ『あまちゃん』(2013年・NHK)でヒロインに恋する、青年役だろう。顔と若干不釣り合いにも見える東北弁をセリフで話していたことを思い出す。『ギルティ〜この恋は罪ですか?〜』(日本テレビ系・2020年)では、妻の友人とデキているというクズ夫役にもトライ。ああ、こういう路線もいくようになったんだなあと、しみじみ。

 そのほかでも本当に「気がつけば小池徹平」のごとく、各所で彼の演技を見かけた。中でも今回の『科捜研』デビューを予感させたのが『准教授・高槻彰良の推察 season2』(WOWOW・2021年)で見せた、寺内一役。もともとHey!Say!JUMPの伊野尾慧さん主演に加えて、King & Princeの神宮寺勇太さんも出演。見ているだけで眼福万歳のようなドラマだった。そこへ小池さんが加わったことで、圧倒的に全体の演技が締まったように見えたのだ。寺内一は物語の鍵を握る悪役で、放送当時は怪演ぶりが話題になっていた。でも私の視点は、小池さんの存在感そのものに集中……。

 そこにはもう20代の可愛らしさはない。ウエンツ瑛士とのデュオ・WaTの解散ステージとして、Mステに出演時。感極まったのか光輝く涙をこぼしながら歌っていた“小池徹平くん”の姿は、もう過去のこと。そんなことを寺内一役が示していたような気がする。『科捜研』の放送時にはまた新しい彼の姿に期待をしたい。

【プロフィール】
小林久乃(こばやし・ひさの)/エッセイ、コラムの執筆、企画、編集、プロモーション業など。出版社勤務後に独立、現在は数多くのインターネットサイトや男性誌などでコラム連載しながら、単行本、書籍を数多く制作。著書に、30代の怒涛の婚活模様を綴った『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』(KKベストセラーズ)、『45センチの距離感 -つながる機能が増えた世の中の人間関係について-』(WAVE出版)がある。静岡県浜松市出身。Twitter:@hisano_k

関連キーワード

関連記事

トピックス

現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン