嵐・相葉雅紀も訪れた宮古島の犬猫保護団体を直撃！

　東京に住んでいると野良犬や野良猫を発見することはまずないが、宮古島では、かなり頻繁に見かける。野良犬や野良猫がいる、という知らせを受けると、中原さんたちは、保護に向かう。飼育放棄された犬猫を保護したり、そのままでは殺処分されてしまう犬猫を保健所から引き取ることもある。

　しかし、引き取り続けるだけでは根本的な解決にならないので、中原さんたちは、避妊去勢手術に重点を置くようになった。

「宮古島では犬も猫も放し飼いで、知らずのうちに繁殖してしまうことが多々ありました。飼い主のいない犬猫を増やさないためには、短いスパンでスピーディーに手術する必要があります。島内の動物病院だけでは追いつかないため、自分たちで動物病院を設立しました。

　毎月、東京などから獣医師さんを招き、招致費用と薬品代を寄付金等から拠出し、避妊去勢手術を行っています」

　犬猫が健康で安全に過ごせる環境をつくり世話をし、保護してくれる家庭を探して譲渡するまでが中原さんたちの役目だ。

「宮古島の問題なので、なるべく島内で里親さんを探したいと思い、里親探しを行っています。でも、人口が少ないため、島外に頼らざるえない状況です。

　ありがたいことに、全国から里親希望の方から連絡をいただきます。ただ、まずはいったん、『そちらの地元にも保護施設があると思うので訊ねてみてください』と案内しています。それでもどうしてもこちらの子を里親として迎えたい、という方には、よく話し合った上で譲渡しています」

　報道では、苦情を申し立てる近隣の人達との話し合いが物別れに終わったとされているが、中原さんはどういう思いだったのだろう。

「近隣の方から、事前に挨拶がなかった、といったクレームをいただきました。一般人同士の近隣トラブルではなく、私共は県から許可をもらい登録している動物取扱業者なので、話し合いには保健所や市役所にも入ってほしいとこちらからもお願いしました。

　ご挨拶をしていなかったことはお詫びし、過去のことではなく、今後どうしていくかを話し合いたいとお伝えしました。

　私共も将来的には施設閉鎖を目指していますが、『今年中に出て行くように』と言われても、今いる犬猫を見捨てるわけにはいかないので、現実的には無理です。確実に縮小の方向へ進めていることは具体的に説明したのですが･･････」

　2020年12月の2回目の話し合いでは、「7メートルの壁を建てるように」「二重扉に」「ゴミが見えないように」といった要望が近隣住民側から出された。

　それを受け、防音の二重扉、二重窓に工事し、7メートルの壁は建築法で通らなかったのでできる範囲の高さの壁を建てた。ゴミが見えないように配慮したゴミ置き場も設置し、衛生面の対処も行った。こういった改善点を書面にまとめ、近隣住民にも配布したという。