母親に対する思いが背景に…
不遇な人生は母親のせい
一方、母親に対する思いはまったく違っていた。『キネマ旬報』での連載の中で、香川はこう書いている。
《打ち明ければ、母には最後には出戻った実家の香川家の墓ではなく、父方の喜熨斗家の墓に眠ってもらいたいと思っている。私をこの世に送り込んだ二人なのだ。縁があるのだ。離れてはならない》
喜熨斗(きのし)とは、香川の父親、猿翁の姓だ。結婚後間もなく離婚した母親に、父親の先祖の墓に入れという。しかもその墓にはすでに「略奪婚」の相手が眠っているというのにだ。浜にとっては残酷ともいえる言葉だろう。
「香川さんのなかには、自分がすんなり歌舞伎役者になれなかったのは、父親と離婚をした母親のせいだという気持ちがずっとあったのでしょう。仕事関係者にも、自分の母親と重ねてか、経済力を持つあまり、あっさり離婚を決める女性を批判することもありました。そういった経緯から、女性は常に耐え忍ぶ生き物であるという“女性蔑視”の考え方が強くなっていったんだと思います」(演劇関係者)
香川自身、1995年にCAの女性と結婚、一男一女に恵まれたが、2016年に離婚している。
「奥さんにとって香川さんが歌舞伎役者になったのは青天の霹靂。突然、梨園の妻として慣れない世界に飛び込んだ彼女を、香川さんは助けることもなかった。彼女が不満を抱くのは当然でしょう。広がった夫婦間の溝は修復不可能となり離婚となりました。
2年ほど前、香川さんに新恋人との同居が報じられましたが、この女性は何も言わずに香川さんの話に耳を傾けるおとなしいかたのようですね」(前出・演劇関係者)
前出の中高時代の同級生は、同窓会で会ったときの香川の言葉が忘れられないと話す。
「男の子が生まれたときに、『この子は絶対に歌舞伎界だと決めた』と、興奮した様子で語っていたのが忘れられないんです。いつもの香川からするとあのときは異様なテンションでしたね。『代々絶やしちゃいけないものだ。これは運命だ』と。『長男の血は絶対に守らなければならないんだ』とも強く言っていました」
「男の血」こそが絶対という言葉の陰に、女性に対する香川の考え方が透けて見えるようでもある。
香川が女性に暴力を働いた2019年。それはある時期とも重なる。
「浜さんは体調のことがあり、あまり外出していないようですが、2019年頃までは遠方まで香川さんの舞台を観劇しに行ったり、香川さんとお孫さんと一緒にレストランへ出かける姿も頻繁に見かけられました。でもここ3年はパタリと見なくなって……2人の関係に何かあったのかしら」(前出・歌舞伎関係者)
俳優として名を成し、家庭では夫として父親として生きてきた香川が、母親はたまた女性に対し複雑な感情を消すことはできなかったようだ──。
※女性セブン2022年9月22日号
出演CMからも続々降板が決定している(アリナミン公式サイトより)
大河『龍馬伝』の出演者発表に登場した香川照之(2009年撮影)
CM詳細(アリナミン公式サイトより)