ファンが驚きを感じた以上に、堀江自身もこのライブ手法にしっかりとした手ごたえを感じている。
「『めぐる冒険』を始めたのが私の2回目のライブからですが、ファーストライブの時には感じなかった満足感と言うか、素直に“いいな”って思えたんですよね。だから『めぐる冒険』はストーリーを変えながらも2015年の『堀江由衣をめぐる冒険V〜狙われた学園祭〜』まで続けることができたんです」
そして堀江は2019年、4年ぶりとなったライブでは『文学少女倶楽部』という新しいコンセプトで、自身のライブツアーを再スタートさせた。
「久しぶりにライブしませんかと声をかけていただいた時、同時に『今度は生バンドでやりませんか』と提案があったんです。バンド演奏のファーストライブがあまりしっくりこなかった経験もあって、『めぐる冒険』はずっとオケでやっていました。だから今回のお話もピンと来なかったんですが、いざやってみたところ今回は見事に自分の中にハマったんです。
ひとことで言うと『目指すところは同じだった』というのに気付いたからです。私は『めぐる冒険』で何よりも目指していたのは、お客さんをどうしたら飽きさせずにライブを楽しんでもらえるかということでした。そのために物語であったり総合力で見せることを選んだんです。『文学少女倶楽部』でバンドの生演奏が持っているパワーを改めて感じたことで、こういう方法でもお客さんに楽しんでもらうことはできたんだ、違う正解もあったんだということに気付けたんです」
こうした経験から『堀江由衣 LIVE TOUR 2022 文学少女倶楽部II~放課後リピート~』ではさらにパワーアップした部分もあったという。
「今年のライブツアーが決まった時、自分から『文学少女倶楽部の 続編 にしましょう』って提案しました。前回のフォーマットを崩さないようにしながらも、3年前は幕間に映像で流すだけだった物語も、今回はもっとちゃんと考えて作りたいと思ったんです」
加えて、8月に発売された『堀江由衣 LIVE TOUR 2022 文学少女倶楽部II~放課後リピート~』のライブ音源と同日リリースの新曲『秘密の庭のふたり』の聴きどころを教えてもらった。