「私……、こんなに……、走んなくても、いいんだけど」(七倉園子)

『白線流し』

『白線流し』

『白線流し』第4話(1996年/フジテレビ系)

【あらすじ】
長野県の高校に通う園子(酒井美紀・当時18才)は、自分が本当に何をやりたいか進路に悩んでいた。そんな矢先、同じ学校の定時制クラスに通う渉(長瀬智也)と出会う。卒業を控えた高校生たちの青春物語。

【ココで見られる】
『白線流し』DVD-BOX: 2万1780円 発売元:フジテレビ映像企画部 販売元:ポニーキャニオン(C)2002 フジテレビ

 漫画家・折原みとさんが選んだのは、『白線流し』(1996年/フジテレビ系)だ。

「信州の松本市を舞台に卒業前の高校生の揺れ動く思いを繊細に描写していて、見るたびにピュアだった頃の自分を思い出します。

 特に好きなのは第4話の終わり。反対方向の電車に乗ってしまい、すれ違った園子(酒井)と渉(長瀬)が踏み切りで会うシーン。

 走ってきた園子が、渉に『私……、こんなに……、走んなくても、いいんだけど』と、息を切らせながら言うんです。これが『青春!』って感じでいい! 無駄に走ってエネルギーを使うのも、また青春。スピッツの主題歌『空も飛べるはず』もあの雰囲気にピッタリで最高です。いまでも心を浄化したいときに定期的に見ています」(折原さん)

【プロフィール】
折原みとさん/1985年デビュー以来、漫画、小説、エッセイ、料理レシピ本執筆など多方面で活躍。近作に『きみと100年分の恋をしよう』(講談社)ほか。

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