食事療法は院長自らも実践。基本的には自炊。地元の野菜を中心にシンプルな味付けを心掛けている

食事療法は院長自らも実践。基本的には自炊。地元の野菜を中心にシンプルな味付けを心掛けている

不調の7割は食生活が原因である

 現在は、食事や生活習慣の指導を中心に行う飯塚さんだが、開業当時は薬による治療がメインだった。

「薬物による治療は決して悪いことではありません。確かに精神科の病気の場合、適切に薬を使えば、8割の症状がたちまちに改善します。

 ただ、大切なのはその後です。薬で一時的に症状がなくなったとしても、薬をやめたり、日常生活でストレスが強くかかると、すぐに再発します。私は、それでは意味がないと思っています。だから薬以外の治療法を研究し、漢方から栄養療法まであらゆる方法を試しました。そのなかでも、食生活と生活習慣を徹底的に改善することが効果的だとわかったのです」

 飯塚さんが導き出した結論のもと、同クリニックでは初診時に1時間かけて生活習慣や体質傾向についての聞き取りを行い、食事も含めた適切な生活習慣を徹底的に指導する。

「不調の7割は食生活が原因だと考えています。人間の体は食べたもので作られるため、食事内容がそぐわなければメンタルを含めた体の機能全体に影響が出てくるのは当然ですよね。それぞれの遺伝子や体質などによって必要な栄養素は少しずつ異なりますが、メンタルを強くする栄養素として共通しているのは、鉄分・ビタミンB群・亜鉛です」

 クリニックでは、それらの栄養素を食事に無理なく取り入れられるよう指導するほか、サプリメントも利用している。

「鉄不足だと、髪が抜けやすく、爪が割れやすくなります。ひどい生理痛や片頭痛、イライラ、慢性疲労も出てくる。そうした症状が鉄のサプリメントをのむだけで改善したケースもあります。ビタミンB群の不足はエネルギーの低下を招くうえ、睡眠の質も悪化します。悪夢をよく見る人の原因がビタミンB不足であることも多い。

 亜鉛不足は味覚障害のほか、免疫力の低下、視力障害、食欲不振、倦怠感などの症状にもつながります」

 自分の体に足りない栄養素を知ることに加え、飯塚さんが患者に指導しているのは食べ方だ。

「推奨しているのは『ホールフード』と『地産地消』です。

 日常生活において、必要な栄養素をきっちり測って食べるのは、かなり難易度が高いうえ、長く続けることは不可能です。それよりも、食材を丸ごと食べること(全体食=ホールフード)で、部分的に食べるよりも凝縮されてバランスがいい栄養素を体内に取り入れることはできる。たとえば、大根なら葉っぱも食べる。私は大山(鳥取県西部の名峰。国立公園)のふもとにある農園から無農薬の野菜を買っており、ピーマンの葉やさつまいもの茎、野菜の皮まで残さずいただいています。

 もう1つの『地産地消』は東洋医学の考え方を取り入れたもの。南国で育つきゅうりやすいかといった野菜や果物は体を冷やし、寒冷地のかぼちゃや玉ねぎなどの根菜類は体を温める。住んでいる土地で栽培された旬のものを食べることが、体に負担をかけずに質の高い栄養を摂ることにつながるのです」

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