国際情報

エリザベス女王、プレッシャーからの“逃げ道”となった日記と「家族」の存在

緊張した面持ちから一転、フィリップ殿下のジョークで笑顔に。1953年(写真/GettyImage)

日記をつけていたエリザベス女王(右はフィリップ殿下。1953年。GettyImages)

 9月8日に96年の生涯を閉じ、19日に国葬が行われたイギリスのエリザベス女王。歴史と伝統を誇るイギリスの女王としての重責はとてつもなく大きかったはずだが、押しよせるプレッシャーには、“逃げ道”を用意した。女王は幼い頃から日記をつけていたという。

《エンバンクメント、ピカデリー、ポールモール、ただひたすら何マイルも歩いた。午前(深夜)12時半にバルコニーに入る両親を見て、食事をして、パーティをして、午前3時に寝た!》

 第二次大戦の戦勝記念日には街に繰り出した様子をそう綴った。即位後、誰にも言えない心情を日記に書き込んだ。精神科医の樺沢紫苑さんが言う。

「ネガティブなことで鬱屈した胸の内を日記に書いて吐き出すことは、とてもよいストレス解消法です。ましてや女王ともなれば、嫌なことがあっても軽々しく人に言うことはできません。日記でガス抜きをしていたのでしょう」(樺沢さん)

 実際、本心を明かすのは母と妹に限られていたようだ。精神科医の渡邊宏行さんが言う。

「公に感情を出すと摩擦のもとになるので、私的な場で身近な人にだけ感情を吐き出すことはとても大切です。プライベートで本音を出せる相手がいると、精神的な安定を保ちやすい」(渡邊さん)

 樺沢さんが続ける。

「人と人の心が通うと、“つながりホルモン”と呼ばれるオキシトシンが分泌されて、免疫力が高まって心血管系疾患のリスクが減ります。本音を打ち明けられる人がひとりでもいれば、オキシトシンの力で健康になれるのです」

あわせて読みたい

関連記事

トピックス

今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・イメージ 写真はいずれも当該の店舗、販売されている味噌汁ではありません)
《「すき家」ネズミ混入味噌汁その後》「また同じようなトラブルが起きるのでは…」と現役クルーが懸念する理由 広報担当者は「売上は前年を上回る水準で推移」と回答
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン