『Reading Live vol.1 VA VA VA~人恋しい夜に聴く物語~』のチラシ
演出・構成は、『東京ラブストーリー』の永山耕三氏
一肌脱いだのは山村の後輩アナウンサー、二人だけではない。『VA VA VA』の演出・構成は、『東京ラブストーリー』『愛という名のもとに』『ひとつ屋根の下』『ロングバケーション』(いずれもフジテレビ系)を手掛けたドラマディレクターで映画監督でもある永山耕三氏なのである。
宅間・山村夫妻と永山氏は、それこそ、『東京ラブストーリー』に出てくる“グループ”のメンバーのような間柄。宅間氏が亡くなった際も、永山氏が「宅間は賑やかなことが好きだったんだから盛大に送ってやろう」と言い出し、前述の土井氏と取り仕切ってくれたと山村から聞いた。
『VA VA VA~』の舞台はワイナリー。バツ2の夫が急逝し、その妻(近藤)、元妻(河野)、元々妻(山村)の3人が遺産を前に、喧嘩しながら同居していくオリジナルコメディだ。演劇をよく知る方なら、大竹しのぶ、渡辺えり、キムラ緑子が演じる舞台『三婆』(原作・有吉佐和子)を思い浮かべるかもしれない。プライベートの波瀾万丈ぶりでは、その3女優に勝るとも劣らない女性アナウンサー3人の朗読劇には大きな期待と少なからず“恐ろしさ”もある。
フジテレビのアナウンサーになる前の学生時代もミュージカル劇団「東京キッドブラザース」の“女優”で、退社後も女優として活動していた山村は、自ら脚本を執筆したり、演出したりもしてきた。今回も山村は、洋楽の訳詞をしたり、パンフレットを作ったりしている。
「昨日、音楽の打ち合わせをしました。ピアノは“ロンバケ”のオリジナルサウンドトラックに作曲やアレンジ、伴奏などで参加された音楽プロデューサーの橋本しん(Sin)さんが弾いてくださいます」と山村の声は久々に躍っていた気がする。
昼夜の公演チケットは完売しているが、ライブとアーカイブでの配信もあるそうで、地方公演も視野に入れていると聞く。頼もしい後輩、河野景子と近藤サト、そして夫妻の親友、永山耕三氏の絶大なるサポートを受け、女優・山村美智は新たな一歩を踏み出す。