Aさんの身に本当の災難が降りかかったのは、その後だった。
「3人が浴室から出た数分後に僕も浴室から上がると、殴り合いをしていたうちの1人が、僕の服を着ていたんです。僕がロッカーのカギをかけ忘れていたのが悪かった。男はパンツを履かないまま僕のズボンを履き、上のトレーナーまで着ていました。トレーナーにはスヌーピーのガラが入っていたので『僕のだ』とすぐに気づき、頭が真っ白になった。ズボンのポケットには僕の財布も入っていたんです。
着るものがなく裸のまま震えながら『これ、僕の服なんです』と話しかけると、最初『これもらって帰っていいか?』と返されました。その後男の周りの仲間が『それはまずいよ、返してあげなきゃ』と言い、最終的には『ごめんな』と謝ってもらって服は手元に返ってきました。その日は逃げるようにして家に帰りました」
Aさんは2~3か月の間恐怖で店に通えなかったというが、「高温サウナで汗をかくことの気持ちよさは変わらないので、再び通うようになりました。それで今日、ネットを見てこんなに炎上しているのかとビックリした。トラブルもあるけれど、気持ち良くサウナを使い続けられたら僕はそれでいいのですが……」と話す。
炎上させるのはサウナの中だけでよい。