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巨人は浅野翔吾の素質を開花させられるか? 問われる二軍の育成力と原監督の起用法

巨人にとって岡本和真以来の高校生野手の1位指名となった浅野翔吾(時事通信フォト)

巨人にとって岡本和真以来の高校生野手の1位指名となった浅野翔吾(時事通信フォト)

 ドラフト1位指名した浅野翔吾が大成するかどうかに、巨人の人気回復がかかっているかもしれない──。10月20日のドラフト会議で巨人は予告通り、高校通算68本塁打の高松商業・浅野翔吾外野手を指名。阪神との競合になったが、原辰徳監督がくじを引き当てて交渉権の獲得に成功した。原監督の抽選勝ちは2008年の1位・大田泰示以来、巨人の高校生野手の1位指名は2014年の岡本和真以来となった。

「チームの創立者である正力松太郎氏が『巨人軍は常に強くあれ』と遺訓に残したように、巨人は毎年優勝しなければならないという命題を抱えてきた。そのため、ドラフトでも即戦力になりやすい大学生や社会人を毎年のように指名してきました。しかし、野手のレギュラーを見ると、来年の満年齢で言うと中田翔と丸佳浩が34歳、坂本勇人は35歳になる。若返りが急務です」(プロ野球担当記者。以下同)

 問題は巨人が浅野の素質を開花させられるかどうかだろう。原監督と同じ東海大相模高校出身の大田は、巨人時代はその力を発揮できず、日本ハムに移籍してからブレイクした。

「当時まだメジャーでプレーしていた松井秀喜がつけていた背番号55を与えたことも、大田のプレッシャーにはなったかもしれない。でも、それ以上に当時の巨人は、層が厚すぎた。2010年前後の巨人には外野にアレックス・ラミレス、長野久義、高橋由伸、亀井善行、矢野謙次などがいましたし、一塁には小笠原道大が座っていた。一塁は小笠原以外にも、ホセ・ロペスが加入したり、阿部慎之助がコンバートされたりした。

 そのため、大田はたまにスタメンで起用されても、結果が出なければすぐに控えに回されてしまった。少ないチャンスで結果を残せる選手がレギュラーになるのがプロの世界ですが、その一方で我慢強く使い続けることで芽が出る選手もいる。ヤクルトの村上宗隆は首脳陣が我慢してスタメンで使い続けたから、今年の三冠王につながっている。もし村上が巨人に入団していたらどうなっていたか、という議論が出ることもありますが、巨人は『常に優勝しなければならない』という命題があるため、どうしても目先の1勝を取りに行きがちなところはあるでしょう」

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