巨額の年俸を手にするプロ野球選手は、それに見合うだけの活躍が求められる。その期待に応えられなければ“給料ドロボー”と呼ばれても仕方がない。今季、最もコストパフォーマンスが悪かった選手は誰か──。【投手編。野手編につづく】
今年のストーブリーグは、例年以上に騒がしくなりそうだ。注目を集めるのが、楽天・田中将大(33)の契約交渉だ。スポーツ紙記者が語る。
「昨季は4勝9敗に留まったものの、2年契約ということもあり、現状維持の年俸9億円で更改された。しかし、今季もリーグ最多の12敗(9勝)を記録するなど、“神の子”と呼ばれた時ほどの輝きがないことが明白になった。契約が切れる今オフ、もし残留となれば大幅な減俸になる可能性が高い。ほかにも2020年に最優秀選手のタイトルを獲得して以降、目立った活躍ができていない巨人の菅野智之(33)をはじめとする大物選手たちも今季で契約が切れるため関心が集まっています」
プロ野球において年俸は選手に対する期待と評価であるが、今季、最も費用対効果が悪かった選手は誰か。『プロ野球なんでもランキング』などの著書があるライター・広尾晃氏協力のもと、選手のコストパフォーマンスを集計した。
投手部門では、一軍登板のあった投手352人について、アウト1つを取るのに年俸がいくらかかったかで計算し、「先発」「中継ぎ・抑え」に分けてランキングした。
先発登板のあった投手では、ソフトバンク・森唯斗(30)が1アウトにつき447万円でワースト1位。クローザーの印象が強いが、9月には通算461試合目で、初先発を経験したため先発に分類されている。今季は4月に一軍登録抹消となるなどワースト1位となったが、来季は先発挑戦で再起を図る見通しだ。
昨季9勝4敗と活躍したヤクルト・奥川恭伸(21)は、今季4イニングしか登板できず先発組のワースト3位となった。
「前季の1年だけ活躍した若手がアップ更改の翌シーズンにケガで出られないケースはよくあります。昨季2勝10ホールドした阪神・及川雅貴(21)も今季は登板1イニングに留まり、中継ぎ・抑えでワースト3位でした。そうした選手はまだ評価を確定できないところもある」(広尾氏)
先発陣でワースト上位の注目選手はやはり楽天・田中(8位)だ。
「163イニングを投げて、防御率は3.31。チームはCSに進出できず、1アウトに184万円かかった。球界最高年俸ですからコスパが悪いと言わざるを得ない」(同前)