2022年3月、KDDIの3G回線サービスが終了し、電波の送受信ができなくなった旧来型の携帯電話機「ガラケー」。画面の左上に「圏外」の表示が出ている(時事通信フォト)

2022年3月、KDDIの3G回線サービスが終了し、電波の送受信ができなくなった旧来型の携帯電話機「ガラケー」。画面の左上に「圏外」の表示が出ている(時事通信フォト)

「彼女? とか、風俗の子? とまで書かれていて驚きました。常連さんも、俺の女とかふざけたことを書いていてとても不快でした。誰もが見られるSNSに書き込んでいることをわかっていないんです、本当に気持ち悪い」(本多さん)

 そして幅広い年代の女性複数に話を聞いた結果、「スマホ×おじさん」に関するトラブルで一番多いのは「盗撮」である。本多さんのように「写真を撮ろう」と誘われるだけならまだマシ、と感じる程、実に多くの女性が「おじさんにスマホで盗撮された」と語ってくれたが、その瞬間を筆者も目撃したことがある。

 電車内で座席前に立っていたサラリーマン風のスーツ姿のおじさんが、目の前に座る女性をスマホで堂々と撮影していたのだ。通常、スマホで写真を撮影するとパシャリという効果音が鳴り響くが、そのおじさんのスマホは音がしなかった。とはいえ、スマホに撮影画像の確認画面が表示されているのが筆者からも見える。自分のスマホに夢中で気づかない女性の顔を何枚も撮影していたが、間違いなく無断撮影だろうと分かった。見かねてさすがに声をかけ、サラリーマンは次の駅で逃げるように降りていったが、筆者が知人との二人連れではなく一人だったとしたら、声をかける勇気を持てたか定かではない。

 日本向けのスマホにだけ、カメラで撮影時に「音」が鳴る仕様となっているのは盗撮が多いから、などと言われているが、その理由を目の当たりにしてしまった。実際、そのサラリーマンも「音が出ないカメラ」アプリを使用していたようだ。

 千葉県在住の調理師・酒井なおみさん(仮名・30代)は、週に何度も「盗撮された」と思うことがあると言う。なぜ気がついたのかと聞くと、気味が悪い体験を語ってくれた。

「電車内で立っていると、目の前に座っていたおじさんが、スマホをこちらに向けて操作し始めたんです。撮影されていないか不安だったんですが、撮影しているかどうかわからず文句も言えない。かといって、混雑していて他の場所に移動できず、我慢して立っていたんです」(丸井さん)

 ちょうどその日は曇り気味で、夕方の早い時間にもかかわらず外は真っ暗。丸井さんがふと車窓に目をやると、目の前に座る男性のスマホの画面が反射していて、そこに丸井さん自身の姿が映っていたのだ。

「思わずあっと声を上げて、スマホを取りあげました。周りにいた人たちも協力してくれて、次の駅でおじさんを駅員に引き渡しました。盗撮の余罪がボロボロ出てきて、書類送検されたと聞いています」(丸井さん)

 スマホの進化はあまりにも早い。テレビを見るのも音楽を聴くのも写真を撮るのも、全てスマホ一台でできるようになったのは、本当に驚くべき事でもある。しかも、特に面倒なマニュアルを読まずとも、感覚で操作できるようにつくられている。しかし、折角の技術を自身の欲望のために、そして他人を不幸にするために使用しているのなら、いっそのこと取りあげるか、ぜひガラケーのままでいて欲しいと思わずにいられない。

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