大臣をクビになった山際大志郎・前経済再生相が辞任からわずか4日後に「自民党コロナ対策本部長」という要職に起用された。前任者は西村康稔・現経産相だったから、まさに“大臣級”のポストだ。
山際氏といえば、旧統一教会との関係について国会で追及されても「記憶にない」「資料がない」とどこ吹く風で誤魔化しを続け、「ウソが背広を着て歩いている」(小沢一郎氏)と評された人物だ。しかも、経済再生相とコロナ担当相を兼務していながら、夏の感染第7波では何ら有効な手を打てずに感染を拡大させた。そんな人物が、感染第8波が懸念させるタイミングでコロナ対策を担うと言われても、というのが多くの国民の印象だろう。自民党ベテラン議員はこんな見方をする。
「岸田総理は山際氏から事前に旧統一教会との関係について報告を受けていたが、内閣改造で留任させた。山際留任は総理の判断。それでも結局は政権を守るために辞めてもらうことになったから、ゴネないように役職を与えたんだろう。山際の親分の麻生太郎・副総裁への配慮もあるんじゃないか」
岸田首相は他の“旧統一教会汚染大臣”への対応も甘い。「脱統一教会」を掲げた8月の内閣改造では同教団との関係を認めた8人の大臣を交代させたが、最も関係が深いと見られている萩生田光一・前経産相は「大臣2つ分に相当するポスト」と言われる自民党政調会長に出世させ、安倍晋三・元首相の実弟で同教団から選挙支援を受けていた岸信夫・前防衛相は安全保障担当の総理補佐官に起用して官邸入りさせた。
旧統一教会関係者からパーティ券を買ってもらっていた末松信介・前文科相も、改造後に参院予算委員長という要職に起用されている。