「旧統一教会除染内閣」の顔ぶれ
教団の推進政策と戦う
旧統一教会が熱心に推進した運動の一つが「子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)」の接種反対だ。安倍─菅政権で接種が抑制され、岸田政権になって再び接種奨励に転じた。
その間、自民党でHPVワクチン接種推進を主張し、教団ら反対派と戦ってきた三原じゅん子氏を厚労大臣に、同じく接種推進派でコロナ対策にも詳しい医師出身の若手、今枝宗一郎氏を環境大臣に抜擢する。
世論調査で国民の多くが支持する選択的夫婦別姓について、自民党は消極的だ。その背景に、強硬反対派の教団の意向があったと見られている。
「ジェンダー問題で教団から“敵認定”されているのが猪口邦子・元少子化担当相です。彼女も入閣有力候補にふさわしい」(鈴木氏)
猪口氏を経済再生相兼男女共同参画担当にすれば公平な議論が期待できる。
復興相には、震災被災地の支援をライフワークにする小泉進次郎・元環境相が適任だろう。神奈川県連会長として地方議員の脱教団化を推進し、教団批判派の1人でもある。
安倍シンパの議員にも、教団に厳しい姿勢を取ってきた議員がいる。
青山繁晴氏は以前から旧統一教会の危険性を認識し、選挙支援を拒否。有力派閥の会長に「教団の支援を見直すべきだ」と直言するなど、一貫して反教団の姿勢を取ってきた。安保の専門家で経済安全保障担当大臣は適任だろう。
果たして岸田首相は、こんな思い切った顔触れの内閣改造ができるだろうか。
(了。前編から読む)
※週刊ポスト2022年11月18・25日号