芸能

『エルピス』『PICU』 リアリティーを追求し、高評価となるフジテレビドラマ

長澤まさみ

『エルピス』に主演する長澤まさみ

「今期の秋ドラマはどれも質が高い」──。ドラマ評論家たちは、興奮気味にそう口を揃える。軒並み苦戦を強いられた夏ドラマから一転、なぜこんなにも心を揺さぶる作品が集まっているのか。いよいよストーリーは後半に突入。撮影秘話とともに評論家たちが人気作の見どころを解説する!

 面白いドラマ=高視聴率とは言えなくなったいま、注目されているのが、「TVer」など見逃し配信サービスでの再生回数だといえる。編集部調べのTVer週間人気ランキングでは、1位が『silent』(フジテレビ系)、2位が『クロサギ』(TBS系)。そして、3位に入るのは、『エルピス ─希望、あるいは災い─』(フジテレビ系)だ。

ドラマ『エルピス』で好演中

ドラマ『エルピス』で好演中

 スキャンダルで閑職に追いやられ、バラエティー番組「フライデーボンボン」でコーナーMCを担当する元人気女子アナ・恵那(長澤まさみ・35才)が、若手ディレクターの岸本(眞栄田郷敦・22才)とともに、ある冤罪事件を追い始める、という内容の『エルピス』。

 メディアの報道の在り方を問う作品だけに、企画から放送まで、実に6年もかかった意欲作だ。TBSでボツになった作品を脚本家の渡辺あや氏らが、さまざまなハードルを乗り越えて実現させた覚悟の一本だという。ドラマ評論家の吉田潮さんが話す。

「権力に媚びて真実を伝えないテレビ報道に、人気女子アナのヒロインが拒否感と吐き気を覚えたという設定が興味深い。それに、テレビ局内の人間関係が妙にリアル。特に、岡部たかしさん(50才)演じるテレビマンは『ああいうのいるよな〜』と思わせる説得力があり、人を小馬鹿にする演技が抜群にうまい」

 話題作に挑むにあたり、スタッフも入念に準備をしたようだ。

「冤罪事件やマスコミ報道の問題点、倫理や人権などについてや、被害者・加害者の心理などについて、勉強会を重ねました。スタッフの間でも、そうした丁寧なドラマ作りを続けていけば、必ず視聴者に支持されるという自信が生まれています」(テレビ局関係者)

関連記事

トピックス

和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン