リアリティーの追求は医療ドラマでも試みられている。
北海道の病院を舞台に、吉沢亮(28才)が小児科医を演じる『PICU 小児集中治療室』(フジテレビ系)では、近年の医療ドラマで避けられていた、「救えない命」に光を当てている。
「医者がガンガンと患者を救っていくのが医療ドラマの定番ですが、『PICU』では初回から、搬送が遅れたことで子供が亡くなってしまいます。でも、医者だって神様ではないのだから、救えない命もある。そうしたリアルを恐れずに伝えている」(吉田さん)
リアリティーは医師の内面にも見られるというのは、連続ドラマを独自の視点で分析するドラマウオッチャーのカトリーヌあやこさんだ。
「人口が少なく、医療体制が充分でない過疎の地域に、なぜ医療用ジェット機が必要なのかわかりやすく理解できますし、若い医師の悩みや、医療を離れた日常の部分もとても丁寧に描かれている。名作として記憶に残る『監察医 朝顔』(2019年・フジテレビ系)を彷彿とさせるようなハイレベルな作品になっています」
6位にランクインしたのは、サスペンス『親愛なる僕へ殺意をこめて』(フジテレビ系)だ。山田涼介(29才)演じるエイジは二重人格者。その秘密を知っている恋人・京花(門脇麦・30才)を、エイジのもう1人の人格である“B一(ビーイチ)”が刺してしまう。
「先が読めない複雑なストーリーに加え、山田さんの周りが門脇さん、川栄李奈さん(27才)、遠藤憲一さん(61才)、佐野史郎さん(67才)など、モンスター役者揃い。
ミステリー系の今作は、中盤から大どんでん返しが始まるので、善人の役もできるが、怖い役をやったらものすごいぞという、ある意味2つの顔を持つ俳優さんたちが揃えられた理由がわかってきました。誰が黒幕なのか想像ができません」(カトリーヌさん)
※女性セブン2022年12月1日号