入浴前後は血管病のリスクが急増

入浴前後は血管病のリスクが急増

 部屋を暖かく保つことは、健康長寿にもつながる。

「東京都健康長寿医療センターの研究では、エアコンなど部屋全体を暖める暖房器具を使う高齢者ほど活動量が多く、筋力が強いことが明らかになっています」(小川さん)

 住居環境とともに、生活習慣の改善にも取り組みたい。東丸さんは睡眠時間の確保が肝要だと話す。

「睡眠時間が短くなるほど血圧が高くなる。普段より2時間短くなると高血圧のリスクが2倍近く高くなるというデータもあります。

 通常、日中の活動時は交感神経が優位で血圧は上がり、反対に睡眠時は副交感神経が優位になり血圧は下がります。つまり、起きている時間が長いほど交感神経が活発な時間が長くなり、血圧が上がりやすくなるということ。7時間は確保してください」

 いきんで血圧を上げないためには便秘の解消も必要だ。

「そもそも便秘傾向で腸内環境が悪い人は動脈硬化になりやすく心臓疾患のリスクが上がるとの研究データもあります。いきむことに加え、便秘そのものが高血圧死のリスク要因なのです。

 便秘の解消には、適度に体を動かすこと。外に出られない人は、室内で足踏みをするだけでも効果があります。健康的な食事も心がけてほしい。オリーブオイルなどのよい油、ヨーグルトなどの発酵食品、野菜を多めに摂りましょう。水分もしっかり補給してください」(東丸さん)

 万全の対策で今年の冬を乗り切りたい。

「それでもヒートショックが起きたら、見つけた人はすぐに119番に連絡を。浴槽内であれば溺れることもあるので、すぐにお湯を抜くか、倒れた人を浴槽の外に救出してください」(小川さん)

 家の中を危険地帯にしないためにいまできることがある。

※女性セブン2022年12月1日号

「冬の急死」を防ぐ9か条

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