「外側の世界(他人の評価や情報)ばかりに気を取られず、自分が本当に必要なものは何かを自分に問いかけ、取捨選択できる能力が必要です。
ストレスとうまくつきあうには、嫌な記憶を思い返すことをやめ、ポジティブなものに意識を向けるべきです。
なぜなら、嫌いな人を頭の中で思い返してストレスを作ってしまうのは、自分自身です。皮肉なことに、嫌いな人を思い返せば返すほど、細胞分子レベルで脳の内側にその人の記憶を刻み込んでしまうのが脳の性質だからです」
情報の氾濫は脳の退化につながる?
ストレスが平等なら、それをうまく処理できる人と、できずにためてしまう人の差はどこにあるのだろう?
「逆説的ですが、ストレスへの感受性が高い人の方がたまりにくいんです。早いうちから『おかしいぞ』と気づくことで、ストレスが大きくなる前に対処できるからです。
一方、ストレスに気づけない、あるいはなかったことにしようと放置してしまう人は、やがて手遅れになってうつ病を発症してしまうこともある。
世界的企業の経営者の多くがマインドフルネス(禅や瞑想で心を休める方法)を取り入れるのは、自分の内面と向き合い、内側が感じ取る力を高めているのです」
自分の内面と向き合わず、外側からの情報に頼ると、脳の働きにも影響が起こるそう。
「脳は強いシグナルに反応するため、スマホなどから流れる刺激的な情報に一喜一憂します。怖いのは、それに慣れてしまうと、ささやかなシグナルでは心を動かされなくなること。これは、脳の退化と言えるでしょう」
脳を退化させることなく、どうしたらハッピーに過ごすことができるのか……。