国際情報

アメリカ航空企業の機密情報詐取で中国国家安全部の幹部に懲役20年の判決

中国の大学の研究員などと身分を偽ってスパイ活動をしていたという

中国の大学研究員などと身分を偽ってスパイ活動をしていたという

 中国の情報機関である中国国家安全省の幹部が、中国の大学の研究員などと身分を偽って、米国内の航空業界の知人からエンジンなどの機密情報を詐取したとして逮捕、起訴され、11月18日にオハイオ州の裁判所で懲役20年の判決を受けたことが分かった。

 米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官は「この事件は、中国政府がアメリカの経済安全保障、ひいては国家安全保障に対して攻撃を続けている最新の一例に過ぎない」などと述べて、企業や関係機関に対して、中国によるスパイ行動への警戒を呼び掛けている。米政府系報道機関「ボイス・オフ・アメリカ(VOA)」が報じた。

 このスパイは、中国国家安全省江蘇省国家安全部第六局の徐延軍副局長(42)。2003年に国家安全省に入省し、スパイ活動の訓練を積んで、2013年12月に米国に入国、航空分野や宇宙産業の重要な機密をターゲットにして活動し、オハイオ州に本社を置くGEアビエーションからエンジンファンなどの機密情報を盗んだとして指名手配されていた。2018年、ベルギーに逃げていたところを米司法省からの連絡を受けたベルギー警察によって逮捕、身柄を米司法当局に引き渡され、裁判所で審理が行われていた。

 米司法省によると、このスパイは、米国の航空会社の従業員から機密情報を得ようとして、「中国の大学で講義してほしい」などと言って、エンジニアらを中国に出張させ、報酬を支払うなどして、その見返りに情報を収集。これらはすべて中国国家安全省の指示だったという。

 米司法省のジョン・C・デマーズ国家安全保障担当司法次官補は「この事件は孤立したものではなく、『米国を犠牲にして中国を発展させる』という中国政府の全体的な経済政策の一環である」などと述べて中国を強く批判している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《美女モデルと不倫》妻・観月あこに「ブラックカード」を渡していた錦織圭が見せた“倹約不倫デート”「3000円のユニクロスウェットを着て駅前チェーン喫茶店で逢瀬」
NEWSポストセブン
お疲れのご様子の雅子さま(2025年、沖縄県那覇市。撮影/JMPA) 
雅子さまにささやかれる体調不安、沖縄訪問時にもお疲れの様子 愛子さまが“異変”を察知し、とっさに助け舟を出される場面も
女性セブン
不倫が報じられた錦織圭、妻の元モデル・観月あこ(時事通信フォト/Instagramより)
《結婚写真を残しながら》錦織圭の不倫報道、猛反対された元モデル妻「観月あこ」との“苦難の6年交際”
NEWSポストセブン
新キャストとして登場して存在感を放つ妻夫木聡(時事通信フォト)
『あんぱん』で朝ドラ初出演・妻夫木聡は今田美桜の“兄貴分” 宝くじCMから始まった絆、プライベートで食事も
週刊ポスト
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《永野芽郁に新展開》二人三脚の“イケメンマネージャー”が不倫疑惑騒動のなかで退所していた…ショックの永野は「海外でリフレッシュ」も“犯人探し”に着手
NEWSポストセブン
“親友”との断絶が報じられた浅田真央(2019年)
《村上佳菜子と“断絶”報道》「親友といえど“損切り”した」と関係者…浅田真央がアイスショー『BEYOND』にかけた“熱い思い”と“過酷な舞台裏”
NEWSポストセブン
「松井監督」が意外なほど早く実現する可能性が浮上
【長嶋茂雄さんとの約束が果たされる日】「巨人・松井秀喜監督」早期実現の可能性 渡邉恒雄氏逝去、背番号55が空席…整いつつある状況
週刊ポスト
6月15日のオリックス対巨人戦で始球式に登板した福森さん(撮影/加藤慶)
「病状は9回2アウトで後がないけど、最後に勝てばいい…」希少がんと戦う甲子園スターを絶望の底から救った「大阪桐蔭からの学び」《オリックス・森がお立ち台で涙》
NEWSポストセブン
2人の間にはあるトラブルが起きていた
《浅田真央と村上佳菜子が断絶状態か》「ここまで色んな事があった」「人の悪口なんて絶対言わない」恒例の“誕生日ツーショット”が消えた日…インスタに残された意味深投稿
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン