「趣味は勉強」と言い切れる凄さ
影山さんへの評価はサッカーに留まりません。笑顔を欠かさないド真ん中のアイドルでありながら、東大合格を狙えるほどの学力を持ち、それをわかりやすい形で言語化する地頭のよさを民放各局のテレビマンから評価されていました。
さらに学生時代にクイズ研究会の所属だったため、クイズ番組でも活躍。『東大王』(TBS系)、『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』(テレビ朝日系)、『くりぃむクイズ ミラクル9』(テレビ朝日系)などに出演し、アイドルとは思えない難問解答や早押しのスピードで視聴者を驚かせてきました。学力だけでなくクイズ全般の知識と経験があるだけに、制作サイドは他の高学歴タレントとは異なる目で彼女を見ているのです。
そしてもう1つ、メディア関係者たちの心をつかんでいるのは、「勉強は趣味」と言い切り、徹底的にやり切れるタイプであること。
影山さんは2018年6月に学業専念するため一時活動休止を発表し、その期間は約2年間続きました。のちに原因不明の体調不良で大学受験が叶わなかったことを明かしましたが、その後もコロナ禍のステイホーム期間で6つ、コロナ療養期間中に5つもの資格を取得する勉強家ぶりを披露。サッカーやクイズに留まらず徹底的にやり切る性格が、「あの子凄いね」と業界内で噂になりはじめていました。
すでに「サッカー好きタレントどころか、サッカー解説者すら凌駕している」「クイズの実力で高学歴タレントを上回っている」という声がさまざまなメディア関係者から聞こえてきます。今回のワールドカップ番組で知名度が上がったことから、たとえば「スポーツキャスターやクイズ番組のMCなら即戦力」「若者向けの教養番組を任せてみたい」などの評価が上積みされたのではないでしょうか。
以前、影山さんはブログに「私の理想のアイドルは、常に笑顔でキラキラしていて、人に勇気や元気を届けてといった姿でした」とつづっていました。影山さんは「何でもできる」「そつのない」優等生キャラとみなされがちですが、活動休止したのに受験断念という挫折を経た今も、常に笑顔のアイドルであり続けているという事実が一般に知れ渡ったとき、さらに人々を引きつけるでしょう。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。