ライフ

朝8時の駅前チアガールを陰で支える応援マンたち「誰かを応援する気持ちはリレーのように」

希望する人には個別応援もしてくれる。忙しくなる12月を乗り切れるように応援を頼む人もいた(撮影/井上たろう)

希望する人には個別応援もしてくれる。忙しくなる12月を乗り切れるように応援を頼む人もいた(撮影/井上たろう)

 13年前から新宿や池袋、桜木町などの駅前で通勤、通学の人々を励ますチアリーディングを続ける集団がいる。朝8時ちょうどに通勤途中の会社員や学生たちにエールを送る“朝チア”活動をする全日本応援協会「全日本女子チア部☆AJO」だ。道ゆく人々を“勝手に”応援する彼女たちだが、実はその彼女らを応援し、支える人々がいた。

 後楽園駅前での活動支援者のひとり、駅前で不動産業を営む大八恒産株式会社代表取締役、八幡信明氏はこう語る。

「後楽園駅で彼女らが朝チア活動したいと言うので、周辺のビルは私の会社が担当しているエリアでもありましたので、彼女らが活動しやすいように声かけをして回りました。また、彼女らが打ち合わせなどをする際には弊社の会議室を提供しています」

 なぜ彼女たちのことを応援するのか。それにはこんな想いがあった。

「彼女らの活動を見て、元気の押し売りだとか、応援すれば喜ばれると勘違いしているなどと言う人もいると思います。人それぞれの感じ方があってもいいと思うし、私はそれを否定しません。でも少なくとも私は彼女らの活動に胸を打たれ、できる限りのことをしたいと思いました。勝手に応援してくれる彼女らを、僕も勝手に応援しているだけです(笑)」

 支援者は他にもいる。後楽園近くでオリジナルTシャツなどの製作販売をしている株式会社ダーツ代表取締役の大根田利夫氏だ。

「今は世の中全体が暗いムードで景気も悪くなる一方で、しかも冬で寒くなってと体も心も縮こまるばかりですよね。でも、彼女たちは“目線だけは上げていきましょう”って僕らを応援してくれる。この世界は、人にしたことは全て自分に返ってくるし、それはいいことも悪いことも全て返ってくると思うんです。人に優しくすれば優しい人に出会えるもんです。彼女らの応援が誰かの心に届いて、その人もまた誰かを応援できたら…世の中平和になる気がしますよね」

 応援というバトンは手渡され、リレーのようにつながっていくものなのかもしれない。

<取材・文/河合桃子>

関連記事

トピックス

初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
【1500万円が戻ってこない…】「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路「経歴自慢をする人々に囲まれ、次第に疲弊して…」
NEWSポストセブン
橋幸夫さんが亡くなった(時事通信フォト)
《「御三家」橋幸夫さん逝去》最後まで愛した荒川区東尾久…体調不良に悩まされながらも参加続けていた“故郷のお祭り”
NEWSポストセブン
麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン