“2度あることは3度ある”。迷信めいているが、これはこちらの勝手な「錯誤相関」でしかない。錯誤相関とは実際には関連がないことなのに、関連があるように錯覚し、そこに関連性を見出してしまう傾向のことである。
それでも先制点を取ったことで期待は大きくなった。このまま勝てると信じたかった。それだけに後半戦、クロアチアのペリシッチ選手(33才)にヘディングシュートを決められると、悪い予感が胸の中に広がった。追いついた側より、追いつかれたチームのほうがプレッシャーはかかるだろうし、追いついたチームのほうが、これを機にゲームの流れを変え勢いに乗れるはずだ。勢いを増すように、ボールを持つ時間が長くなっていくクロアチアの選手たちの攻勢に、ハラハラドキドキするよりも、日本代表にとってマイナスになることばかりが気になり始める。
延長戦後半アディショナルタイムには、あのドーハの悲劇を思い出してしまったし、PK戦ではパラグアイ戦の光景がよみがえった。負けるかもしれないという悲観的感情に飲み込まれ、応援していたはずなのに、いつのまにか強い気持ちがしぼんでしまっていた。
PK戦は1-3で惜敗。ベスト16の壁を乗り越えられなかったが、森保一監督は試合後「選手たちは新時代を見せてくれた」と語り、「これから先、日本のサッカーが最高の景色を願い続ければ、必ずこの壁を乗り越えられると強く思います」と述べた。そして「これからも一緒に戦ってください。後押ししてください」と語った。
“一緒に戦う”と言うのは簡単だが、なかなか難しいことだと改めて実感した試合だった。