国内

安倍元首相銃撃、山上徹也容疑者が異例の長期鑑定留置 安倍昭恵さんも証人として出廷か

遺影を手にした昭恵さん(共同通信社)

安倍元首相の遺影を手にした昭恵さん(共同通信社)

 安倍晋三元首相(享年67)が凶弾に倒れてから5か月が経った。妻の昭恵さん(60才)は友人との京都旅行が報じられるなど日常を取り戻しつつあるようだが、つらい現実と向き合う日々が始まろうとしている。

「山上徹也容疑者(42才)の裁判が2023年4月頃までには始まる予定で、そろそろ検察から遺族へ処罰感情の聞き取りが行われると聞いています。昭恵さんは間違いなく話を聞かれる対象ですし、すでに聞き取りが始まっているかもしれない」(全国紙社会部記者)

 2022年7月、奈良県での遊説中、山上容疑者の手製の銃により殺害された安倍元首相。昭恵さんにとってはあまりに突然の別れで、事件後は部屋にこもり、憔悴しきっていたという。裁判が始まれば、昭恵さんが法廷に立つ可能性がある。岡野法律事務所九段下オフィスの伊倉秀知弁護士が解説する。

「被害者遺族が、被告人に厳罰を求める情状証人として出廷することがある。“故人はこんなにいい人だった”“私はこんなに悲しんでいる”といったことを、裁判で訴えることになる。昭恵さんが、検察側の証人として出廷することもあり得るでしょう」

 裁判では事件の悪質さを裁判員に訴えかけるために、当日の現場映像などが資料として法廷内に提示されることが予想される。事件を思い出すのは彼女にとってあまりにつらい。しかし、このつらい作業はもっと早く始まっていた可能性がある。

「一般的に刑事事件は容疑者が逮捕、起訴されたら、約2か月後から裁判が始まります。今回、いまだ起訴すらされていないのは、山上容疑者の鑑定留置に時間がかかっているからです」(前出・社会部記者)

 鑑定留置は、容疑者の刑事責任能力の有無を調べるために行われる。精神科医らによる脳波や知能など医学的検査、容疑者の家族への面接も経て総合的に鑑定される。山上容疑者の場合、7月25日に大阪拘置所で始まった鑑定留置が現在も続いている。当初は11月29日が期限だったが、奈良地検により、2023年1月10日まで延長された。

 一般的に3か月といわれる鑑定留置が、5か月以上も続くのは異例だ。弁護側は長期の鑑定留置に異議を申し立てており、検察サイドとの攻防戦もうかがえる展開に。

「一部のメディアが、山上容疑者が担当医に“子供の頃、母親が旧統一教会の用事に行って授業参観に来なかった”と不満を漏らしていたと報じたのです。こうした情報を検証するために、担当医が留置期間を延長したという報道でしたが、その後、山上容疑者の代理人弁護士が(山上容疑者)本人に確認した上で“そんなことは言っていない”と否定。“留置期間の延長”のために何らかの理由を世間にアピールしたい検察側の意図を指摘する声もあります。

 山上容疑者は弁護士以外、誰とも面会できない状態が続いています。いまなお、旧統一教会問題が世間の関心事の中、彼の法廷での言動は、さらにこの問題に火をつけることになる。裁判員裁判になりますから、検察としては裁判の時期をずらし、裁判員たちに冷静な判断をしてもらえるような状況にしたいという思いがあるのかもしれない」(在阪メディア関係者)

 日本中、いや世界中が注目する山上容疑者の言動。裁判を前に攻防戦は始まっている。

※女性セブン2023年1月5・12日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

12月9日に62歳のお誕生日を迎えられた雅子さま(時事通信フォト)
《メタリックに輝く雅子さま》62歳のお誕生日で見せたペールブルーの「圧巻の装い」、シルバーの輝きが示した“調和”への希い
NEWSポストセブン
宮崎あおい
《主演・大泉洋を食った?》『ちょっとだけエスパー』で13年ぶり民放連ドラ出演の宮崎あおい、芸歴36年目のキャリアと40歳国民的女優の“今” 
NEWSポストセブン
悠仁さまが2026年1月2日に皇居で行われる「新年一般参賀」に出席される見通し(写真/JMPA)
悠仁さまが新年一般参賀にご出席の見通し、愛子さまと初めて並び立たれる場に 来春にはUAE大統領来日時の晩餐会で“外交デビュー”の可能性も、ご活躍の場は増すばかり
女性セブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
《チョビ髭の大谷翔平がハワイに》真美子さんの誕生日に訪れた「リゾートエリア」…不動産ブローカーのインスタにアップされた「短パン・サンダル姿」
NEWSポストセブン
日本にも「ディープステート」が存在すると指摘する佐藤優氏
佐藤優氏が明かす日本における「ディープステート」の存在 政治家でも官僚でもなく政府の意思決定に関わる人たち、自らもその一員として「北方領土二島返還案」に関与と告白
週刊ポスト
石原さとみ(プロフィール写真)
《ベビーカーを押す幸せシーンも》石原さとみのエリート夫が“1200億円MBO”ビジネス…外資系金融で上位1%に上り詰めた“華麗なる経歴”「年収は億超えか」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している(Instagram/時事通信フォト)
《大谷翔平のハワイ高級リゾート裁判が長期化》次回審理は来年2月のキャンプ中…原告側の要求が認められれば「ファミリーや家族との関係を暴露される」可能性も
NEWSポストセブン
神田沙也加さんはその短い生涯の幕を閉じた
《このタイミングで…》神田沙也加さん命日の直前に元恋人俳優がSNSで“ホストデビュー”を報告、松田聖子は「12月18日」を偲ぶ日に
NEWSポストセブン
高羽悟さんが向き合った「殺された妻の血痕の拭き取り」とは
「なんで自分が…」名古屋主婦殺人事件の遺族が「殺された妻の血痕」を拭き取り続けた年末年始の4日間…警察から「清掃業者も紹介してもらえず」の事情
(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
熱を帯びる「愛子天皇待望論」、オンライン署名は24才のお誕生日を節目に急増 過去に「愛子天皇は否定していない」と発言している高市早苗首相はどう動くのか 
女性セブン
「台湾有事」よりも先に「尖閣有事」が起きる可能性も(習近平氏/時事通信フォト)
《台湾有事より切迫》日中緊迫のなかで見逃せない「尖閣諸島」情勢 中国が台湾への軍事侵攻を考えるのであれば、「まず尖閣、そして南西諸島を制圧」の事態も視野
週刊ポスト
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《自宅でしっぽりオフシーズン》大谷翔平と真美子さんが愛する“ケータリング寿司” 世界的シェフに見出す理想の夫婦像
NEWSポストセブン