「太田は洗脳されている」
鈴木:太田さんはテレビが大好きですよね。「#太田光をテレビに出すな」というハッシュタグが流行した時は「もっと傷つく言葉あるのに」と気丈でしたが、本当はダメージがあったのではないですか?
太田:ダメージがないと言えばウソになるけど、ハッシュタグをやった人は優しい気持ちを持っていると思いますよ。山上徹也容疑者に同情して統一教会に怒りを覚え、「教団を擁護する太田をテレビに出すな」と言ったんだと思うんです。
鈴木:ハッシュタグを立てた人は統一教会の被害者ではなく、外野にいる人というイメージです。
太田:そういう外野の層が、テレビの客なんです。何となくワイドショーを見てる人が僕の発言を知って、「苦しむ人がもっと増えるじゃないか」という発想をする。日本人的で優しい考え方だし、僕は常に大衆に向かっていたいから、あのハッシュタグも含めてテレビの面白さだと思います。
鈴木:太田さんは分厚い原理講論まで読んで勉強しているけど、一般誌では「太田は何も知らない無知だ」と叩かれました。
太田:実はそれが精神的に一番苦しかったんですよ。ネットで言われる分には、だけど。「太田は洗脳されている」って社会に思われる状況が一番キツかった。これって、脱会するよう説得されている信者に近いのかなと。
鈴木:そこで太田さんが「俺、洗脳なんてされてないよ」と反論しても、「ほら、その反応が洗脳されている証拠です」と言われてしまう。
太田:本当にそうで、もう何を言っても信じてもらえないと思った。だって僕、「壺芸人」って言われたんですよ(笑)。何も侮辱的な言葉は入っていないのにこんなに傷つくネーミングはないでしょ。
(後編に続く)
※週刊ポスト2023年1月1・6日号