「X」マークをつくるブラザー・コーンさん
前日にリハーサルがあって、渋谷のNHKホールで顔合わせして段取りを確認したり、楽屋の使用位置を決めたりしました。オレが「X」マークの入った帽子をかぶっていたら、X JAPANのYOSHIKIとTOSHIが「僕らの帽子ですか? ありがとうございます」なんて声をかけてくれて。でも、その帽子はニューヨークで買って帰ってきた帽子なの。黒人解放運動指導者のマルコムXの「X」だったんですよね。「ごめん、違うんだよ」って答えたんですけど、そんな話で盛り上がったりしました。
白組の司会は堺正章さんで、オレらはトップバッターで歌いました。HOUND DOGが辞退してくれたおかげで出場できたので、歌い終えた後に「Thanks to HOUND DOG!」と叫んだら、さだまさしさんが近づいてきて「コーン! 最後の言葉、かっこ良かったねぇ! オシャレでアメリカ人みたいだったよ!」と言ってくれたんです。それが一番嬉しかったなぁ。NHKからしたら気分が良くなかったかもしれないけど、怒られはしませんでしたよ。後日、HOUND DOGのベーシストだった鮫さん(鮫島秀樹)には、「出られなくて、オレは悔しかった」と言われました(笑)。
和田アキ子からかけられた言葉
番組終了後は、出演者全員でNHKの食堂に集まって打ち上げがありました。27歳でデビューした当時から仲良くしていた鈴木雅之や、僕らの舎弟分みたいなとんねるずとかもいて……出て良かったな、という思い出はいっぱいありますね。トリを飾った和田アキ子さんは「おまえらは私たちの仲間のミュージシャンだもんなあ」って言ってくれました。当時は紅白ってミュージシャンのための番組という色が強く、みんなの仲間意識が強かったんですよ。