手にはイカつめの指輪が
ニューヨークには友達や後輩がいるので、年が明けて2日、またニューヨークに戻りました。「トップバッターで歌うから見とけよ!」とどや顔で伝えてあったので、ジョン・F・ケネディ空港に迎えに来てくれた彼らに「どうだった?」と聞いたら「出てなかった」と言うんですよ。「チェッカーズの(藤井)フミヤさんが出ていました」って。チェッカーズは17番目に歌ったんです。つまり、ニューヨークでは紅白は途中からしか放送されていなかったんですよ。あれにはがっかりしましたねぇ(苦笑)。
最近の紅白はあんまり見てなくて、興味がないわけじゃないんです。大晦日はカウントダウンライブがあったり、海外に行ったりしていることが多いので見られないんです。鈴木雅之は今年も出るから、おめでとう、という気持ちですけど、今の紅白はお笑いの人もたくさん出ていて、よりバラエティ色が強くなっているんじゃないですか。もっとグラミー賞とかアメリカの音楽ショーみたいな派手な作り方をしたらより面白いんじゃないかな、と思うんですけどね。かっこいい映像システムを使って、バンドマンや1人1人の出場者を紹介するとかね。
今はどうかわかりませんけど、当時のNHKはバックダンサーとかも含めて、全員に高さ40センチぐらいの記念のトロフィーも贈ってくれたんです。そのトロフィーは、今も自宅の自分の部屋に大切に飾ってあります。ドタバタでしたけど、本当にいい思い出ですね。
(第2回に続く)
取材・文/中野裕子(ジャーナリスト)