国内

岸田政権が突き進む増税シナリオ 防衛費倍増、少子化対策には「消費税14%」が必要に

「異次元の少子化対策」を実現するには…(時事通信フォト)

「異次元の少子化対策」を実現するには…(時事通信フォト)

 岸田文雄・首相が年頭会見で「異次元の少子化対策」を掲げると、それを合図に甘利明・前自民党幹事長が消費税増税論をぶち上げた。

「子育ては全国民に関わり、幅広く支える体制を取らなければならない。将来の消費税(増税)も含め、地に足をつけた議論をしなければならない」

 昨年末に“国の安全”を理由に「所得税」「法人税」「たばこ税」の防衛増税を決めたばかりなのに、今度は“子供たちのため”という口実で消費税まで上げようという。

 当然、国民から激しい批判が噴き出すと、政府側は慌てて火消しに走り、「消費税については当面触れることはない」(松野博一・官房長官)、「あれは甘利先生のご意見」(鈴木俊一・財務相)と増税否定に回っている。だが、そんな言葉を国民は誰も信じていない。

 厚労省の官僚も、「消費税増税は既定路線」と見て準備を始めた。

「政府は消費税の税率を8%に引き上げた際、税収を年金、医療、介護の高齢者3経費に少子化対策を加えた『社会保障4経費』の財源にすると決めている。岸田首相が異次元の少子化対策で子供関連予算の倍増を打ち出したということは、政策的に消費税増税に直結するわけです」(同前)

 消費税率を何%上げるつもりなのか。政府・与党が内々に計算している増税額は10兆円だという。

「現在の少子化対策予算は年間約6兆円、倍増するには新たに6兆円の財源が必要だ。さらに昨年末に決まった防衛費倍増に必要な財源5兆円のうち、所得税、法人税、たばこ税の増税で得られるのは1兆円。残り4兆円は別に財源の手当てが必要になる。財源不足は合わせて10兆円。消費税率を最低でも14%に上げないとまかなえない金額だ」(自民党中堅議員)

※週刊ポスト2023年1月27日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン