スポーツ

藤浪晋太郎、驚きの“メジャーで年俸5億円” 専門家は「来年さらに上がるチャンス」と指摘

アスレチックスへの移籍が決まった藤浪晋太郎(時事通信フォト)

アスレチックスへの移籍が決まった藤浪晋太郎(時事通信フォト)

 ポスティングシステムを利用してアスレチックスへの移籍が決まった藤浪晋太郎(28)。阪神では年俸4900万円(推定、以下同)だったのに対し、移籍後は年俸325万ドル(約4億2000万円)と約10倍になったから驚きだ。

 阪神の日本人最高年俸は、昨年13勝4敗で2年連続最多勝、投手3冠に輝いた青柳晃洋だが、それでも2億4000万円での契約更改だった。その青柳をはるかに上回る年俸を藤浪が受け取ることになったのである。スポーツ紙デスクが説明する。

「インセンティブの内容も明らかになり、先発登板回数を5試合、8試合、10試合とクリアするたびに10万ドル(約1280万円)上積みされ、13試合、18試合のクリアで各15万ドル(約1920万円)、さらに22試合、25試合では各20万ドル(約2560万円)が支払われるそうです。個人賞(MVPなど)は5万~10万ドルのボーナスとなるというから、活躍すればさらに億単位の上積みになる年俸5億円級の契約というわけです」

 昨年の阪神での成績は16試合に登板して3勝5敗、防御率3.38。この成績でなぜ、これほどの高額契約になるのか。メジャーリーグ研究家の福島良一氏はこう言う。

「まずはメジャー全体の平均年俸が高いということが大きい。むしろアスレチックスは財政難で、メジャーリーグ30球団のなかで年俸が最も安い貧乏球団として知られており、藤浪の年俸はメジャーの水準から考えると安いほうです。もちろん、アスレチックスとしては先発ピッチャーのひとりとして期待している。単純に昨年の成績だけではなく、先発投手としての潜在能力を買っていると思われます。近年、結果は出ていないが、速球投手としてメジャーで効果的なスプリットを武器にすることを評価した結果でしょうね」

 ただ、他のポスティングを利用した他の選手では複数年契約が珍しくないのに対し、藤浪は1年契約となった。

「この点は藤浪の能力を疑っているというより、アスレチックスのチーム事情でしょうね。他球団なら複数年契約をするでしょうが、緊縮財政で年俸総額を抑えているため長期契約はしない方針。藤浪にとっては1年でクビということもあるが、活躍すれば大幅にアップする可能性があるとも受け取れる。辣腕代理人のスコット・ボラスとしては1年契約の方がいいと判断したと思われます」(福島氏)

制球難でも大丈夫?

 長く制球難に苦しみ、右打者に対して死球を連発する印象もあるが、そのあたりの不安はないのだろうか。

「制球力ですか? 近年、メジャーは球が速いピッチャーが多くなり、制球力に欠ける藤浪タイプのピッチャーが多いですよ。また、藤浪のコントロールは昨年の後半には改善されていたという判断のようですね。メジャーでは、ぶつけた際に乱闘になることは多い。ただ、故意にぶつけない限りはクビにはならないでしょう。年俸がどんどん上がっていく可能性があるので、やはりメジャーは夢のある世界だと思いますね」(福島氏)

 藤浪がポスティングを利用してアスレチックスに移籍したことで、阪神には譲渡金が支払われる。年俸の20%(65万ドル=約8320万円)にあたる額となるので、阪神としては藤浪の年俸を支払わなくていいうえに、藤浪の年俸を上回る譲渡金も入るわけだ。驚きの多い移籍劇となったが、阪神にもアスレチックスにも藤浪にとっても喜ばしい結果となるのだろうか。

※週刊ポスト2023年2月3日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン