インフルと同時接種も

 政府は今後、接種対象や頻度の検討を進めるが、実際にどんなペースに落ち着くかの参考になるのがワクチンの接種状況が近い米国の動向だ。

 米食品医薬品局(FDA)は大半の国民について今後は年に1度の接種を提案し、高齢者や免疫不全者などには年2回の接種を提案した。感染が広がりやすい冬に備えて9月から接種を始めることも検討中とされる。二木医師が語る。

「今のインフルエンザのように毎年冬だけに流行るようになれば、おそらくそれに合わせて年1回打てばいいでしょう。しかしながら、過去の新型コロナは夏を含めて年間3~4回大きな波が来ています。今後も感染の波が年数回来るような状況が続けば、波に合わせて接種する必要があるかもしれません」

 ウイルスが弱毒化したと認められているのに、何度も打つのは面倒だ──と考える人もいるだろう。しかし「打っておいたほうがよい」とナビタスクリニック理事長で医師の久住英二氏は語る。

「近年の研究では、感染直後、特に感染後3か月の間に糖尿病や血栓症をはじめとした心血管疾患を発症するリスクが高まったという報告もなされています。基本は今後も打つべきと考えます」

 インフルエンザとコロナの同時接種も重要だ。日本ウイルス学会理事で長崎大学大学院教授の森内浩幸医師が語る。

「コロナとインフルは高齢者や基礎疾患を持つ人にとって同じような形で脅威になり、感染によって元々の持病が悪化して死に至るケースが目立ちます。そうしたハイリスクの人々はコロナとインフルのワクチンを同時に接種することで両方のリスクを減らせます」

 自分の状況とウイルスの出方を見極めて、賢く判断したい。

※週刊ポスト2023年2月10・17日号

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