フォルクスワーゲングループも急速充電ネットワークを構築中

 そして高橋氏がテスラの次に注目しているのが、アウディ、ポルシェ、フォルクスワーゲンのフォルクスワーゲングループだ。

「フォルクスワーゲングループでは現在、各販売店に最大150 級の急速充電器の設置を急ピッチで進めています。まだ本格運用をスタートして間もないですが、全国のディーラーに設置が完了すれば、充電ステーション数ではテスラを超える規模の急速充電ネットワークを有することになります。

 公共の急速充電インフラが脆弱な日本では、メーカーが独自の高性能の急速充電ネットワークを有しているかどうかという点は、長距離ドライブの利便性・安心感において雲泥の差となってきます。1日500kmを超えるような長距離ドライブの機会が多い方には、テスラやフォルクスワーゲングループのEVをオススメします」

 ちなみに、日産などの自動車ディーラーに設置されている急速充電器は、テスラのような独自の急速充電ネットワークではない。テスラとフォルクスワーゲングループ以外のメーカーが設置している急速充電器は、基本的には公共の急速充電器と同様の低スぺックな急速充電器だ。近隣のスーパーなどで充電するのと利便性に変わりはないので、混同しないようにしておきたい。

セカンドカーという割り切りE Vのススメ

アウディのS U VタイプのE V、Q4e-tron

アウディのSUVタイプのEV、Q4 e-tron

 そして最後に高橋氏が提案するのが、セカンドカーという割り切りE Vの運用方法だ。

「買い物車のセカンドカーとして割り切ってEVを運用するのであれば、満充電あたりの航続距離が100km程度でも必要十分です。自宅の基礎充電環境さえ整備できれば、公共の急速充電ネットワークが脆弱であったとしても、そもそも使用する必要はありません。運用に特に不満を感じることはないでしょう。このような用途を前提にした軽自動車EVが、日産と三菱が共同開発した日産サクラと三菱ekクロスEVです」

 どうやら現在の日本でE Vをストレスなく運用するためには、脆弱な公共の充電インフラになるべく頼らずE Vを運用することがポイントのようだ。そのために一番重要なのは自宅充電の設置だが、メーカー独自の急速充電ネットワークを活用するという方法もある。内燃機関車にはない革新性とメリットを併せ持つE V。充電環境や使用用途にあわせて、最適なE Vの購入を検討してほしい。

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