ライフ

20周年のリラックマ 発売当初「文房具」では不調も「ぬいぐるみ」からヒットにつながる

人気のキャラクターを生んだ

数々の人気キャラクターを生んだサンエックス  画像出典/『サンエックス90周年 みんなの生まれたところの話 うちのコたちの大図鑑 たれぱんだ・リラックマ・すみっコぐらし』(主婦と生活社)(c)2023 SAN-X CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

 たれぱんだ、リラックマ、すみっコぐらし……など、ストーリー性のあるちょっぴりネガティブなところや、立体のかわいさが人気となっている、サンエックスのオリジナルキャラクターたち。これまでに生み出された数は、なんと1000を超える。そのなから「こげぱん」と「リラックマ」について紹介する。

「こげぱん」かわいいの常識を覆した“白目”キャラ

 寝ぼけたパン屋さんにこがされてしまい、やさぐれてしまったというネガティブキャラの「こげぱん」。

 当時、入社1年目だったイラストレーターのたかはしみきさんが、一見こわいけど、どこか放っておけない設定はどうかと思いついて考案したというキャラだ。

「こげぱんは、白目が特徴的なキャラですが、当時は社内で白い目を心配する声も多かったんです。そこでたかはしさんはいろいろな目を描いて提案。結局並べてみると、白目のデザインがいちばんかわいいということになりました」(広報担当・富田杏奈さん)

「こげぱん」
 なにごとにもなげやりで後ろ向きな性格。中身は北海道・十勝平野産の高級あずきで作られた上質なあんこ。こげなければ、限定販売のエリートアンパンになるはずだった。

こげぱん

こげぱん  画像出典/『サンエックス90周年 みんなの生まれたところの話 うちのコたちの大図鑑 たれぱんだ・リラックマ・すみっコぐらし』(主婦と生活社)(c)2023 SAN-X CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

「リラックマ」ヒットのきっかけはぬいぐるみの売れ行き

 作者のコンドウアキさんが、ものすごく疲れていたときに生まれたというのが「リラックマ」だ。

 月1回の社内のカンプ(イメージを伝えるラフ)出しがあり、そのとき、私もペットのチワワのように飼い主に面倒を見てもらいたい……と思ったのがきっかけだったという。クマにしたのは、リラックスという言葉とかけようと思ったからだとか。

 今年20周年の大人気キャラだが、発売当初、文房具店では売れ行きが芳しくないという厳しい声もあったという。

「ところが、ぬいぐるみが売れているという情報が入ってきたんです。ぬいぐるみは中の綿など素材にもこだわり、キャラのイメージである『くったり感』をとことん追求しました。“ぬいぐるみが売れてるなんて、このキャラ、実はすごいんじゃない!?”という話で、当時、社内が盛り上がったそうです。そこでぬいぐるみを中心とした販売展開にしてみたところ、ほかのグッズも徐々に売れ、次第に認知度が上がっていきました。

 はじめはリラックマとキイロイトリだけでしたが、コリラックマ、チャイロイコグマと順にキャラが増え、さらに人気が高まりました」(広報・富田さん)

「リラックマ」
 リラックマ…OLカオルさんの家に居候する着ぐるみのクマ。中が誰かは不明。コリラックマ…どこからともなくやってきた白いクマの子。本物のクマではないようだ。チャイロイコグマ…はちみつの森に住む、コリラックマのおともだち。キイロイトリ…OLカオルさんの飼う黄色い鳥。

リラックマ

リラックマ  画像出典/『サンエックス90周年 みんなの生まれたところの話 うちのコたちの大図鑑 たれぱんだ・リラックマ・すみっコぐらし』(主婦と生活社)(c)2023 SAN-X CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

取材・文/苗代みほ

※女性セブン2023年2月16日号

関連記事

トピックス

趣里と父親である水谷豊
《女優・趣里の現在》パートナー・三山凌輝のトラブルで「活動セーブ」も…突破口となる“初の父娘共演”映画は来年公開へ
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏は2017年にダブル不倫が報じられた(時事通信フォト)
参院選落選・山尾志桜里氏が明かした“国民民主党への本音”と“国政復帰への強い意欲”「組織としての統治不全は相当深刻だが…」「1人で判断せず、決断していきたい」
NEWSポストセブン
現地取材でわかった容疑者の素顔とは──(勤務先ホームページ/共同通信)
【伊万里市強盗殺人事件】同僚が証言するダム・ズイ・カン容疑者の素顔「無口でかなり大人しく、勤務態度はマジメ」「勤務外では釣りや家庭菜園の活動も」
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《元人気芸妓とゴールイン》中村七之助、“結婚しない”宣言のルーツに「ケンカで肋骨にヒビ」「1日に何度もキス」全力で愛し合う両親の姿
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《まさかの“続投”表明》田久保眞紀市長の実母が語った娘の“正義感”「中国人のペンションに単身乗り込んでいって…」
NEWSポストセブン
週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」2003年開催時のスリーショット(撮影/山崎力夫)
《巨人V9の真実》400勝投手・金田正一氏が語っていた「長嶋茂雄のすごいところ」 国鉄から移籍当初は「体の硬さ」に驚くも、トレーニングもケアも「やり始めたら半端じゃない」
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【スクープ】大谷翔平「25億円ハワイ別荘」HPから本人が消えた! 今年夏完成予定の工期は大幅な遅れ…今年1月には「真美子さん写真流出騒動」も
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《追突事故から4ヶ月》広末涼子(45)撮影中だった「復帰主演映画」の共演者が困惑「降板か代役か、今も結論が出ていない…」
NEWSポストセブン
江夏豊氏(右)と工藤公康氏のサウスポー師弟対談(撮影/藤岡雅樹)
《サウスポー師弟対談》江夏豊氏×工藤公康氏「坊やと初めて会ったのはいつやった?」「『坊や』と呼ぶのは江夏さんだけですよ」…現役時代のキャンプでは工藤氏が“起床係”を担当
週刊ポスト
殺害された二コーリさん(Facebookより)
《湖の底から15歳少女の遺体発見》両腕両脚が切断、背中には麻薬・武装組織の頭文字“PCC”が刻まれ…身柄を確保された“意外な犯人”【ブラジル・サンパウロ州】
NEWSポストセブン
山本由伸の自宅で強盗未遂事件があったと報じられた(左は共同、右はbackgrid/アフロ)
「31億円豪邸の窓ガラスが破壊され…」山本由伸の自宅で強盗未遂事件、昨年11月には付近で「彼女とツーショット報道」も
NEWSポストセブン
佳子さまも被害にあった「ディープフェイク」問題(時事通信フォト)
《佳子さまも標的にされる“ディープフェイク動画”》各国では対策が強化されるなか、日本国内では直接取り締まる法律がない現状 宮内庁に問う「どう対応するのか」
週刊ポスト