HYBEの大黒柱であるBTSは、最年長メンバーのJINが兵役に入り、今後数年間、グループ活動を休止せざるをえない状況(Getty Images)
SMブランドが失われていく怖さ
日本のK-POPファンを開拓してきた先駆的存在ともいえるSMエンタは、アイドルという枠組みを越えたアーティストと呼べる存在を数々生み出してきた。BoA、東方神起、少女時代、SHINeeをはじめ、BTSのライバルとして成長してきたEXO、現在、グローバル規模で人気を博すaespa、さらに日本でもドームツアーを完走し、日本人メンバー・YUTAを擁するNCT127など、いずれも成功を収めている。
これら所属アーティストは「SMファミリー」と呼ばれ、事務所全体を応援するファンも多い。同社所属アーティストは歌唱力、ダンススキル、ビジュアルのすべてが“K-POP界最高峰”と評価されることもあり、“SM所属”という事実が、アーティストの実力を保証する称号とも言えるほどだった。
そんなSMエンタのファンたちも、今回の報道に大きな反応を見せている。15年以上SMエンタのファンだという女性・Aさん(40代/マスコミ勤務)は、「このままHYBEに吸収されてしまうのでしょうか……」と、複雑な心境を吐露する。
「ついにこういう時代が来たか、というのが率直な気持ちです。SMブランドを愛してきたファンからすると、少し寂しさもありますし、SMアーティストや音楽の方向性にも大きな影響があるかもしれない。そもそも、なんとなく予兆は感じていました。
最近HYBEからデビューした女性グループ・NewJeansのアートディレクターを務めるミン・ヒジンさんは、そもそもSMを代表する数々のヨジャグル(※女性グループ)のディレクションで活躍してきた人です。それがHYBEに移籍して、新しく“ADOR”というレーベルを設立した。そのアートディレクションもあって、新人グループにもかかわらず若年層に刺さった。
SMから優れた人材が離れていくのはファンとしても寂しく、急速に資本力を高めてきたHYBEの躍進の裏で、SMブランドが失われていく怖さも感じていました……」(Aさん)