ライフ

変異株未対応コロナワクチンはいつまで打つべきか 「誰を対象にするのか」を議論する時期へ

6回目以降も2価ワクチンが使用される予定(時事通信フォト)

6回目以降も2価ワクチンが使用される予定(時事通信フォト)

 政府はあくまで「ワクチン推進」のスタンスを崩さない。しかし、ウイルスの変異に“一歩遅れた”ワクチンに効果はあるのか。専門家に聞いた。

 厚生労働省は2月22日、高齢者や重症化リスクの高い人を対象に、5月中にもワクチンの追加接種を開始する調整に入った。全世代を対象にした接種は9月スタートを目処にしており、これで日本は「6回目」のワクチン接種へと進む。

 政府は5月にもコロナの感染症法上の位置づけを「5類」に引き下げると表明しており、“ただの風邪”扱いになるなか、全額公費負担でさらなるブースター接種を決めたことになる。全国紙記者が語る。

「5月以降に使用するワクチンはオミクロン株BA.4-5と従来株に対応する『2価ワクチン』になる予定です。アメリカや欧州を中心にさらなるオミクロンの変異株『XBB1.5(以下XBB株)』が猛威を振るうなか、ひとつ前の流行株にしか対応していないワクチンをまた打って効果があるのか、懐疑的な見方もあります」

 しかも5月に先行接種を受けた人たちは、秋から冬にかけてさらなる追加接種を可能にする方針だという。間を置かずに7回目が始まるのだ。

「年末年始に想定される感染拡大に備えるためだとしています。現在、コロナワクチンは無料で受けられる予防接種法上の『臨時接種』に位置づけられており、3月末で期限を迎えますが、政府はこの位置づけを2024年3月末まで延長する方針も示しました」(同前)

 あくまでもワクチンにこだわる政府に対し、SNSでは〈いつまで打ち続ければいいのか〉〈さすがにこれ以上の接種は躊躇する〉といった声が溢れる。

 果たして6回目、7回目は打つべきなのか。関西福祉大教授(渡航医学)の勝田吉彰氏が語る。

「確かにコロナワクチンは、インフルエンザワクチンのように流行する株を予測してその年のワクチンを作ることはできず、変異型の登場に合わせて後から改良していく必要があります。ただし、それで現在のワクチンの有効性が否定されるわけではない。

 ワクチンを打つことでできた免疫記憶とそれによる抗体は、新たな変異型に対しても一定程度の効果はあるということは、医学的に証明されています。2価ワクチンがXBB株に無力というわけではないのです」

 厚労省も2価ワクチンの追加接種後の中和抗体価がXBB株に対しても高かったと報告している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
オンラインカジノを利用していたことが判明した山本賢太アナウンサー(ホームページより)
フジテレビ・山本賢太アナのオンラインカジノ問題で懸念される“局内汚染”「中居氏の問題もあるなかで弱り目に祟り目のダメージになる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
都内の人気カフェで目撃された田中将大&里田まい夫妻(時事通信フォト/HPより))
《ファーム暮らしの夫と妻・里田まい》巨人・田中将大が人気カフェデートで見せた束の間の微笑…日米通算200勝を目前に「1軍から声が掛からない事情」
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン