国内

【政治部記者覆面座談会】ステルス倒閣運動の茂木幹事長 「パワハラ体質に役人も記者も戦々恐々」の声

自民党幹部それぞれの思惑は…(左から萩生田光一・政調会長、茂木敏充・幹事長、岸田文雄・首相、麻生太郎・副総裁/時事通信フォト)

自民党幹部それぞれの思惑は…(左から萩生田光一・政調会長、茂木敏充・幹事長、岸田文雄・首相、麻生太郎・副総裁/時事通信フォト)

 側近秘書官の差別発言が「オフレコ破り」され、外遊に同行した長男の「公用車で観光」が報じられ、日銀総裁人事はまさかの“誤報”も飛び出した。ドタバタ劇を繰り広げている岸田文雄・首相の周囲で、いったい何が起きているのか。そこで本誌・週刊ポストは官邸詰めや自民党担当の政治記者4人による、内側から見た「岸田政権の正体」についての覆面座談会を開催。発言者を特定されないために社名、担当部署は伏せるが、記者AとBはキャップクラスのベテラン、記者CとDは第一線の若手だ。【全4回の第4回。第1回から読む

 * * *
司会(編集部):岸田首相に対して、批判の急先鋒になっているのが菅義偉・元首相だ。『文藝春秋』2月号の「派閥政治」批判に始まり、増税批判などを繰り出して反岸田を鮮明にしている。総理に危機感はないのか。

記者D:菅さんは『文藝春秋』発売後に外遊先のベトナムでも岸田批判を展開したが、あの時、番記者に「お前たち、ちゃんとベトナムについて来いよ」と同行するよう念押ししていたそうです。最初から、ベトナムで岸田攻撃をやって、報道させるつもりだった。

記者B:信じがたい話と思うかもしれないが、実は、岸田さんはずっと菅さんが自分のことを嫌いだと気づいていなかった。

 初めて知ったのは、1年ほど前に出版された日本テレビの元菅番記者が書いた『孤独の宰相 菅義偉とは何者だったのか』(柳沢高志/文藝春秋)の中で、菅さんが岸田さんを痛烈に批判しているのを読んだ時。岸田さんは暗い顔で、「オレ、菅さんに何かしたかな?」「なんでこんなに嫌われてるんだろう」と困惑していた。

 宏池会(岸田派)の特徴でもあるが、岸田さんは良く言えば性善説で人を見るというか、もっとありていに言えば、「自分のことを嫌いな人がいるわけがない」と本気で思っている。いまでもどうして菅さんが自分を嫌いなのかわかっていないと思う。

 最近も、「菅さんがオレのこと嫌いだというのは、マスコミが言っているだけだろう」なんて言っていたから。鈍感力がすごいというか……。

記者C:でも、菅さんの派閥批判は気にしているようで、岸田さんは最近、派閥の会合に参加しなくなりました。

記者A:あの発言は反発も大きかった。麻生太郎・副総裁はオフレコで「菅のことを評価している政治家なんて1人もいない」とまで言っているし、菅さんの盟友だった二階俊博・元幹事長も、「一回総理をやったら黙ってろ」と怒っていた。その菅さんは発言をエスカレートさせている半面、最近、党内では孤立気味。岸田批判は菅さんの焦りの裏返しという面が見える。

記者B:菅さん自身は再登板する気はない。勉強会も立ちあげないと言っている。菅さんが動く時は、誰かを担ぐ形になると思うが、いかんせん名前を挙げた河野太郎氏や萩生田光一氏という次期首相候補が弱すぎる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン