「母親の影響力は大きい」「たくさんの人に読んでいただいてありがたい」
──親の立場からも子の立場からも、「家族」を見直す契機となるノンフィクションだと感じました。書き終えていかがですか?
齊藤:私があかりさんと関わったのは、彼女の30数年間の人生のうち、2、3年です。30数年分の2、3しか知らない私が、あかりさんの人生をすべて知っているかのように書くのは違うのではないかと考え、できるだけ主観を排して書くように努めました。読むのが苦しくなるという感想をいただくのですが、私も、取材や調査を重ね、あかりさんの人生をできるかぎり追体験し、咀嚼して書いていく作業はきつくなることがありました。それだけに、たくさんの人に読んでいただいてありがたいと思っています。
◆齊藤彩(さいとう・あや)
1995年東京生まれ。2018年北海道大学理学部地球惑星科学科卒業後、共同通信社入社。新潟支局を経て、大阪支社編集局社会部で司法担当記者。2021年末退職。本書がはじめての著作となる