4月に新装オープンする京都競馬場では投票機の6割がUMACA専用の販売機になる。競馬場内ではWi-Fiが完備されているとはいえ、GⅠレース締切直前になるとつながりにくくなるのは確か。もちろん現金での販売機は長蛇の列になる。フェブラリーステークス当日の東京競馬場では、大混雑する現金販売機のすぐ近くに並んでいるUMACA専用機では待つことなく馬券が買えていた。
「個人情報を登録する必要があると誤解されていますが、登録するのはニックネーム、生年月日、性別、郵便番号、4桁の暗証番号だけです。その際、専用のリーダーに手のひらをかざして静脈認証をしていただきますが、これは万一カードを紛失した時、本人以外はプールされているお金を引き出せないようにするためです。免許証など身分を証明するものを提示していただきますが、それは生年月日を確認するため。未成年の方は登録できませんから」(JRA担当者)
つまりJRAは登録時に個人情報をとっていないのでUMACAカード所有者がどこの誰であるかを把握していない。個人情報の管理に敏感な競馬ファンでも心配はないというわけだ。
競馬場やウインズでの現金購入がメインで、レースを重ねていくうちに熱くなってついつい買いすぎてしまうという意志薄弱者は、「今日はこれだけ」という金額だけを入金しておけば帰りの電車賃に事欠くことはない。大穴を的中させた帰途、懐に大金があると何かと落ち着かないという経験もあったはず。それなら財布の中にある1枚のカードに勝負の成果が収まっているというのも悪くない。たとえ紛失したとしても静脈認証がないと出金されることはないし、手数料300円だけで再発行してくれる。
いまや交通機関を利用する時はほとんどSuicaなどのICカードを使っている。ならば現金購入派は馬券を買った金額に応じて定期預金の利息よりも高い利率のポイントが付くUMACAに鞍替えしてもいいのではないだろうか。
●ひがしだ・かずみ/競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴30年の競馬ライター。通算では中央160勝,重賞11勝でうちGⅠ4勝。地方は南関東から北海道、園田、高知まで合わせて200勝ぐらい。現在、出資・所有馬合わせて31頭。