常連客の多くが注文するのが、塩むすびだ。かつて米穀の販売をしていた店が厳選したお米で炊き上げたご飯が、絶妙な塩加減でふんわりと握られている。
「最高の〆」と評判の塩むすびは、店主直伝のこだわりで握られている
「お腹減った人におむすびを出したいって、奥さん(店主)が自ら握ってはった。“ギュッとしたらだめ、ふんわりと握って海苔でくるっと巻くのよ“って。奥さんは、味に厳しい人で、”特別なものはないけど、おいしいものが食べられるお店にしたい“って言ってはったから、ずっとその教えを守って調理しています」(調理担当の60代女性)
「この塩むすびは、口の中で米粒がほどけるんだよ。塩むすびは、ご飯がなくなったら売り切れになっちゃうから、今日も予約しておいた。シンプルだけど、おいしいんだよねぇ。初めて食べたとき、何これ~って感動したね」(60代製造業)
「店の人もここで出会った地元客もみんな人情味があるんだよね。いつもは立ち飲みしとるけど、女将さん(店主)の計らいで、ちょっと疲れたときに腰かける場所も作ってくれてな。この店は、やさしさでできている。飲んでるうちに気分よくなって、嫌なこともすっかり忘れられるんだよ」(70代)
笑顔が溢れる店で客らが好んで飲む酒は『焼酎ハイボール』。
「辛口でさっぱりしているから塩むすびにも合う。これ飲まないと1日が終わった気がしない」(同前)
2022年12月1日取材
■永井酒店
2代目店主の母に代わり店を切り盛りする大嶋康嗣さん(66歳)
【住所】兵庫県神戸市長田区庄田町2-4-11
【電話番号】078-611-0860
【営業時間】12時~19時(月火木)、12時~20時(金土)、10時~20時(日)、水曜定休
焼酎ハイボール200円、ビール大びん440円、くじらのおばけ(さらしくじら)200円、ウインナー280円、ゆで玉子80円、塩むすび100円
※営業時間等は店舗にお問い合わせください。撮影時はマスク、及び仕切りを外しています。

