マスク着用ルールが緩和され、マスクが外された「銀座三越」のライオン像(イメージ、時事通信フォト)

マスク着用ルールが緩和され、マスクが外された「銀座三越」のライオン像(イメージ、時事通信フォト)

美容整形は大人になってから、では娘は納得しない

「なぜダメなのか、といわれても明確な答えが出せない。親からもらった体に傷を付けるな、では弱いんです」

 千葉県在住の主婦・花田江利さん(仮名・40代)は、今春中学を卒業する娘から「二重まぶたにする手術を受けたい」と相談され驚愕した。娘は、花田さん夫妻の血を引いたのか奥二重で、思春期に入った中学入学頃から、しきりに気にし始めたという。

「女の子はハッキリした二重がかわいい、とよく言われますよね。私もそうで、若い頃にはテープを貼って二重を作ったりもしたので、娘の気持ちは痛いほどわかる。でも、まさか中学生で整形をしたいと言い出すなんて思ってもみなかった。それほどまでに悩んでいたのかと、こちらも悩んでしまって」(花田さん)

 もちろん、相談を受けた花田さん、そして夫の答えはNO。若いうちに整形をするのはよくないとか、どうしてもやりたいのなら大人になってから、といった、いわば紋切り型の返答でやり過ごそうとした。しかし、娘は食い下がった。

「貯金もあるし、アルバイトもできるからお金は自分で出すし、大人も今も変わらないと。卒業式はマスク無しでの参加もOKになったから、高校生になってからでは遅いと泣き出し、収拾がつかなくなりました。娘ならわかってくれるものと思い込んでいましたが、ここまで認識が違うなんて驚きを通り越して無力感しかない。結局、卒業式にはマスクを着用して参加する事になりそうですが…」(花田さん)

ノーマスクに備えて整えた生徒

 冒頭で紹介した、女子高生向けの「広告」は、実際に高校生達の間でも話題になっていた。花田さんの娘だけで無く、美容整形に興味を持つ若い子は多いと神奈川県内の公立高校教諭・福田健一さん(仮名・30代)は言う。

「あの広告は私も見て驚きましたが、生徒たちは”別にいいじゃん”とか”本音は手術したい”と、友達同士で気軽に話していました。男子生徒からは、女子高生に整形は早い、という意見も出ましたが、女の先生は茶髪にしてるし化粧もしている、若い先生は目を二重にするテープを使っている、と女子生徒が反論すると”確かに普通と言えなくもないかもしれない”みたいな雰囲気になっちゃって。子供だからダメ、というのは、最近の子供には通用しないんです」(福田さん)

 福田さんの勤務する学校でも「ノーマスク」に備えて素顔を整えたいという流れを受け、美容整形をこっそり行った生徒が数名はいるという。

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