水卜アナとの結婚を発表した中村倫也
もう一つ、水卜アナの好感度の大きな理由として、タレントとの距離感が抜群だということが挙げられる。『ヒルナンデス!』はタレントが大勢出る番組なのに、彼女が本番中も、それ以外のところでも、タレントとタメ口で話したり、自分から距離を縮めたりするような場面も一切見たことがない。
同番組にはジャニーズのアイドルも多数出演してきたし、一度、関ジャニ∞の横山裕との交際報道が出たことがあるが、結局そのときも“共演仲間”の域から外れていなかったように思う。
あれだけの人気アナウンサーであっても、浮ついたところが一切なく、局アナであること、日テレの社員であるという自覚を常にもっている印象は昔も今も全く変わらないのである。
それも含めての人気と好感度で、局内でも当然大切にされてきたので、この5~6年、度々報道されてきた「退社」「フリーへ」という記事には「水卜アナに限っては絶対にない」と否定し続けてきた。
“報道”については3月14日放送の『踊る!さんま御殿!!』で日テレの人気アナウンサーとNHKの人気アナウンサー計12名が集結した際、「日本テレビ女性アナ派閥」なるネットニュースに不満をこぼす岩田絵里奈アナに水卜アナが共感する場面があった。数字をもっているがゆえに色々書かれてきたのは岩田アナより水卜アナのほう。それでも愚痴を言ったり、凹んだりしているところも筆者は見たことも聞いたこともない。いい意味で安定したメンタルの持ち主なのだろう。
“仕事と家庭の両立”打ち明けた安藤サクラのスピーチに涙
そんな中、「水卜ちゃん、大丈夫?」とネット民をザワつかせたのが、3月10日、『第46回日本アカデミー賞授賞式』で、水卜アナがオードリーの若林正恭と共にナビゲーターを務めた日のことだった。
『ある男』で最優秀助演女優賞に輝いた安藤サクラが、子育てと映画の撮影との両立に悩んでいたことをストレートに打ち明けた場面である。
その前にも“振り”はあって、最優秀助演男優賞を受賞した共演の窪田正孝からは、「山梨の方で撮影してたんですけど、サクラさんが『子供に会いに行く』って特急列車に飛び乗って帰っちゃった」というエピソードが披露された。さらに妻夫木聡からは、安藤が同作で引退しようと考えていたことが“暴露”されたのである。
果たして安藤は受賞のスピーチで、「この現場の最中に『やっぱり現場が好きだ』と。自分ができる、できないではなく、それを超えて撮影の中にいることが何よりも好きなんだとハッキリ思えた」「やっぱり私にとって子育てと撮影は、今のところ上手くできない。それはたぶん撮影のシステム的なことになるんだと思います。それ(=撮影システムについて)は、私はどうしたらいいかわからないので、悩みつつ、家族で会議しながらみんなで協力しあって、また大好きな現場に戻れたらいいなと思っています」とストレートに打ち明けたのだ。
会場には夫の柄本佑の姿もあり、夫婦がアイコンタクトをとり、ピースをしあっていた。さらに安藤は、「自分ができなくて押しつぶされそうになっても、くよくよしても、死ぬわけじゃない。何よりも撮影の現場にいるのが好きだと、そんなもの他に見つけられないと、はっきり見えた現場でした」とも言ったのである。
このときは既に中村倫也との結婚発表待ちだったであろう水卜アナが、ほぼ同世代の安藤による“仕事と家庭との両立”や、“俳優の妻”としての想い、さらには出産や子育てについて色々な感情を重ね合わせたことは想像に難くない。
ネット民同様、水卜アナのメンタルを心配していた筆者だったが、今回の電撃結婚発表で水卜ちゃんの涙のワケがやっと理解できた。
4月10日で36歳になる水卜麻美アナが、この先どんなキャリアを重ねていくのか、また“人気俳優の妻”として、どのように夫を支えていくのか。ファンとして見守りたい。
◆山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!』(メ~テレ)、『アップ!』(同)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。