このなりふり構わない姿勢が発する熱量は、誰かがネタ中に話していたが、崖っぷちというよりすでに崖下に転落している芸人たちの命綱となり得るかもしれないTHE SECONDならではのものだろう。
賞レースの宿命だが、どんなにウケても、客観的評価を得られなければ次には進めない。虹の黄昏以外にも、もっと見たかったコンビがいた。1人が俳優の遠藤憲一のモノマネをしつつネタを披露した「ひよしなかよし」も、同様にチャゲ&飛鳥のモノマネをしながらネタを展開させた「ダブルネーム」も、ネタのさわりを思い出しただけでも笑いがこみ上げてくる。虹の黄昏に負けず劣らず型破りなネタで勝負に出た3人組の「鬼ヶ島」も、その無軌道ぶりに胸が熱くなった。
彼らもまた世間一般では、ほぼ無名と言っていい。
THE SECONDはどんなペースであれ15年間という歳月を相方と完走し、かつ、今後も相方と走ることをやめさえしなければ永遠に出場することができる。いや、極端な話、歩いたっていいのだ。倒れさえしなければ。
THE SECONDの出場資格を有する芸人の最大の武器。それは悲哀だ。悲哀は、大爆笑を誘発するガソリンになる。
彼らや彼女たちがいつか栄誉に属する姿を想像できること。それがTHE SECONDの痛快さである。
【3月27日(月)・28日(火)】
『THE SECOND~漫才トーナメント~』開幕戦ノックアウトステージ32→16
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