「外国人の乗客には着物が喜ばれた」(田中敬子)こちらもCA時代のフォト

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映画『夜の蝶』のモデルに遭遇 

 当時、飛行機に乗るのは限られた層の人たちだけだったのは仄聞されるところだが、敬子が最初に見かけた著名人は銀座の「おそめ」のママこと、上羽秀だった。 

「当時、おそめのママは『夜の蝶』(川口松太郎の小説)のモデルになって、雑誌なんかにもよく採り上げられてたの。その後、映画にもなったでしょう。東京と大阪を飛行機で往復するっていうのは知ってたんだけど“わ、本当に乗ってる”って思って、びっくりしちゃった」 

 そして、もう一組はリズム&ブルースのコーラスグループ、プラターズである。 

「大阪でコンサートがあるってことで乗り込んで来ました。当時はタラップから乗り込むんだけど、全員が整列して乗って来て、私が『ハッ』て顔をしたら、一斉に『オンリー、ユー』って歌ってくれたの。いや、これ本当の話よ」 

 今日は国内、明日は海外と飛び回る生活は、敬子にとって多忙だったが、楽しかった。楽しすぎたのかもしれない。 

 しかし、そんな日々があっという間に過ぎることは、20歳になったばかりの敬子には、まだわからないことだった。 

(文中敬称略。以下次回、毎週金曜日配信予定)

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