国際情報

北朝鮮恵山市で軍部隊が653発の銃弾紛失 市を封鎖して捜索も見つからず住民は戦々恐々

銃弾がすべて発見されるまで、市内は封鎖されたまま

銃弾を探すために市を封鎖

 北朝鮮北部に位置し、鴨緑江を挟んだ中国との国境の町、両江道(県に相当)の道都・恵山市で、新型コロナウイルスの感染防止で国境封鎖のため、2020年1月から常駐していた朝鮮人民軍部隊が、今年3月初旬に653発の銃弾が紛失していたことが明らかになった。北朝鮮当局は恵山市全域を封鎖し市民の家を一軒一軒捜索したものの、いまだに見つかっておらず、住民たちの間では様々な憶測と恐怖が広がっているという。

 米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が恵山市の住民の話として報じたところでは、アサルトライフルの弾薬が紛失していることが分かったのは朝鮮人民軍第7兵団が撤退中の3月7日だった。

 撤退が完了した3月10日以降、朝鮮人民軍軍事警備司令部や秘密警察部門の国家保衛省、警察機関である社会保障省が人員を派遣し、捜索を行っているという。同司令部などは住民に対して、刑法第78条の「武器・弾薬・戦闘技術装備の略奪・不法所持・廃棄」の規定に基づいて、「弾薬を不法に所持したり、譲渡した場合、3年以上の労働改造が科せられる」と警告しているという。

 ある住民はRFAに対して、「いまだに、手がかりはない。653発の銃弾がすべて発見されるまで、市内は封鎖されたままの状態だ」と語っている。

 別の住民は「いまは南(韓国)と米国が激しい軍事演習を行っている最中であり、わが国も頻繁にミサイルの発射演習を実施するなど、南北間の軍事対立が高まっているときだけに、市民は捜査がどのように終わるかを注意深く見守っている。我々に濡れ衣が着せられてしまうようなことが起こらないことを願っている」との不安な気持ちを述べている。

 とはいえ、北朝鮮軍の銃弾を一般市民が奪うことは考えにくく、軍の管理のずさんさが浮き彫りになった形といえよう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

およそ揉め事を起こしそうにない普通の人たちがカスハラの主役になっている(写真提供/イメージマート)
《”店員なんて赤の他人”的な行為が横行》条例施行から2か月、減らないカスハラの実態 都内のコンビニ店員が告白「現役世代のサラリーマンが…」品出し中に激突、年齢確認にブチ切れ、箸に”要らねえよ”
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
六代目山口組の新人事、SNSに流れた「序列情報」 いまだ消えない「名誉職」に就任した幹部 による「院政説」
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《親子スリーショットの幸せな日々》小室眞子さんは「コーヒー1杯470円」“インスタ映え”カフェでマカロンをたびたび購入 “小室圭さんの年収4000万円”でも堅実なライフスタイル
NEWSポストセブン
宮城野親方
何が元横綱・白鵬を「退職」に追い込んだのか 一門内の親しい親方からも距離置かれ、協会内で孤立 「八角理事長は“辞めたい者は辞めればいい”で退職届受理の方向へ」
NEWSポストセブン
元女子バレーボール日本代表の木村沙織(Instagramより)
《“水着姿”公開の自由奔放なSNSで話題》結婚9年目の夫とラブラブ生活の元バレーボール選手の木村沙織、新ビジネスも好調「愛息とのランチに同行した身長20センチ差妹」の家族愛
NEWSポストセブン
常盤貴子が明かす「芝居」と「暮らし」の幸福
【常盤貴子インタビュー】50代のテーマは「即興力」 心の声に正直に、お芝居でも日々の暮らしでも軽やかに生きる自分でありたい
週刊ポスト
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
ホストにハマったAさんが告白する“1000万円シャンパンタワーの悪夢”「ホテルの部屋で殴る蹴るに加え、首を絞められ、髪の毛を抜かれ…」《深刻化する売掛トラブル》
NEWSポストセブン
西武・源田壮亮の不倫騒動から5カ月(左・時事通信フォト、右・Instagramより)
《西武源田と銀座クラブ女性の不倫報道から5か月》SNSが完全停止、妻・衛藤美彩が下していた決断…ベルーナドームで起きていた異変
NEWSポストセブン
大谷夫妻の第1子誕生から1ヶ月(AFP=時事)
《母乳かミルクか論争》大谷翔平の妻・真美子さんが直面か 日本よりも過敏なロスの根強い“母乳信仰”
NEWSポストセブン
麻薬の「運び屋」として利用されていたネコが保護された(時事通信フォト)
“麻薬を運ぶネコ” 刑務所の塀の上で保護 胴体にマリファナとコカインが巻きつけられ…囚人に“差し入れ”するところだった《中米・コスタリカ》
NEWSポストセブン
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
〈ちゅーしたら魔法かかるかも?〉被害女性が告白する有名ホストクラブの“恐ろしい色恋営業”【行政処分の対象となった悪質ホストの手練手管とは】
NEWSポストセブン
公務のたびにファッションが注目される雅子さま(撮影/JMPA)
《ジャケットから着物まで》皇后雅子さまのすべての装いに“雅子さまらしさ“がある理由  「ブルー」や小物使い、パンツルックに見るファッションセンス
NEWSポストセブン